女性客「息子がお金取りに来る」「あまり話せない」 JA職員が連携、特殊詐欺防ぐ「笑顔見てほっとした」

2022/01/12 05:30

永菅信弘署長から感謝状を受け取るJA兵庫六甲の職員たち=神戸市北区甲栄台3、神戸北署

 特殊詐欺を未然に防いだとして兵庫県警神戸北署は、JA兵庫六甲の小部支店(神戸市北区鈴蘭台東町4)と谷上支店(同区谷上東町)に署長感謝状を贈った。 関連ニュース 「個人情報が流出してしまう」 焦る高齢男性に声掛けコンビニ店員が詐欺被害防ぐ 特殊詐欺グループ、指示役の男に有罪判決 鬼滅の刃『善逸』名乗り、連絡取り合う 通話しながら高齢女性がATM操作、客が気付き特殊詐欺防ぐ 信組職員と連携、兵庫・洲本署が表彰

 同署などによると、小部支店で昨年11月30日午前、女性客(89)が窓口の池田千夏さん(25)に「ATM(現金自動預払機)で100万円が出せない」と相談。「息子がお金を取りに来る」「あまり話せない」と述べたため、池田さんは限度額を超える出金には印鑑が必要と伝え、一度帰ってもらい上司に報告した。
 同日午後に再び来店した女性には、上司の川北七絵さん(47)が対応。お金は用意できると安心させ、息子と一緒に来るよう促した。一方で同支店から通報を受けた神戸北署員が女性の自宅へ駆け付け、息子に電話をして詐欺と確認した。
 池田さんは「お客さんのお金を守れてうれしかった。聞き出す難しさを感じたが、上司のやり方を見て勉強になった」、川北さんは「情報共有や普段の勉強が生きてよかった。後日女性の笑顔を見てほっとした」と振り返った。
 また12月2日午後には、谷上支店に女性客(68)が来店。金融部門の窓口が閉まっていたため、不動産部門の的場栄子さん(58)が対応し、担当者の岡山明央(あきひさ)さん(37)に連絡した。岡山さんが詳しく尋ねると、市職員を名乗る人物から、介護保険料の還付金を振り込むと電話があったという。岡山さんが110番し、被害を未然に防いだ。
 的場さんは「時間外だからと断らずに、何をしに来たか聞いてよかった」、岡山さんは「女性がしっかりと話を聞いてくれた」と振り返っていた。(小野萌海)

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