「1・17」前に生田署が防災意識啓発 パネル展示やオリジナルマッチ缶共同開発

2022/01/14 05:30

震災の被害の大きさを伝えるパネル展示=神戸市中央区中山手通2、生田署

 阪神・淡路大震災の発生から27年となる17日を前に、兵庫県警生田署は当時の惨状と教訓をパネルで伝える展示や、災害時に備えるオリジナルデザインマッチ缶の販売に取り組んでいる。地域住民に巨大地震をわがこととして捉えてもらい、防災意識を幅広く浸透させる。(斎藤 誉) 関連ニュース 震災の記憶伝える「防災グミ」 ブルボンと神院大生コラボ、包装に教訓やメッセージ 孤立集落対策や性的少数者への配慮盛り込む 兵庫県地域防災計画、能登の課題踏まえ修正 南海トラフ地震想定、南あわじで総合防災訓練 各地で避難行動確認、防災学習など実施


■パネルで学ぶ惨状と教訓 写真40枚とデータ展示 17日まで
 パネル展は毎年この時期に企画している。多くの市民に見てもらおうと今年も17日まで、2階玄関付近で実施している。
 パネルは兵庫県が制作した。高さ約1メートル、幅約70センチで9枚並べており、震災関連の写真約40枚とデータを伝える。
 写真は、橋脚ごと横倒しになった阪神高速道路、同署に隣接する生田神社の拝殿の屋根が落ちた光景などで、都市部を襲った大地震の衝撃を伝える。
 データは、消防や警察、自衛隊が救助した被災者の数に対し、住民が助け出した事例が3倍余りに上ったことを示すグラフなどで、日常から地域の結び付きを強めておくことの重要性を訴える。
 同署の板井秀人警備課長(43)は「震災の記憶の継承は警察官、市民を問わず必要だと思う。住民が震災を忘れず、防災について今まで以上に考える一助になってくれたらいい」と話している。

■災害時マッチ使って 専門店と共同開発、オリジナル缶限定100個販売
 オリジナルマッチ缶は、同署管内のマッチ専門店「マッチ棒」(神戸市中央区中山手通3)と共同開発した。限定100個を、同店の店頭とオンラインショップで販売している。
 災害時にガスが使えない事態を想定し、マッチを常備して点火するよう啓発する。
 缶は高さ約6センチ、直径約4センチで、約80本のマッチが入っている。缶の側面には「備」「災」と書かれた軍配を手にする同署のマスコットキャラクター「いくたん」が描かれ、「日頃から災害に備えましょう!」と呼び掛けている。
 同店によると、このマッチ缶はスチール製で湿気に強く、中のマッチは5年以上使えるという。
 岡部由樹店長(57)は「マッチも防災グッズの一つであることを知り、いざというときに活用してもらいたい」と話している。
 1個385円。同店TEL078・221・5561

【特集ページ】阪神・淡路大震災

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