「コンテナじいさん」が語る神戸港の半世紀 小3の副教材にオリジナル絵本採用
2022/01/20 05:30
コンテナをテーマとした神戸港の絵本を寄贈した(右から)青山大介さんと谷川夏樹さん=神戸市役所
擬人化したコンテナの物語を通して、阪神・淡路大震災による被害など神戸港の歩みを描いた絵本が、神戸市立小学校の新3年生に副教材として配られる。鳥瞰図(ちょうかんず)絵師の青山大介さん(45)=同市西区=と、画家の谷川夏樹さん(45)=兵庫県猪名川町=によるオリジナル作品で、2人は「大好きな神戸港の歴史や魅力を子どもたちにも知ってほしい」と話している。(初鹿野俊)
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青山さんは神戸港にまつわる鳥瞰図を数多く手掛け、谷川さんはコンテナを擬人化したキャラクター「コンテナくん」を生み出してきた。2人は神戸港を舞台とした絵本の制作を志し、2020、21年に神戸海洋博物館(同市中央区)で開いた企画展の延長で、児童向けの教材化を市に提案して実現させた。
完成した絵本の題名は「神戸みなと物語~コンテナじいさんの見た神戸港」。1967(昭和42)年に摩耶埠頭(ふとう)で日本初のコンテナ専用船の荷役が行われた当時から活躍するベテラン「コンテナじいさん」を中心に、港湾物流の要所として名をはせ、震災で被害を受けながらも復興を遂げた歩みを振り返る。若い「コンテナくん」やガントリークレーンの「ガンちゃん」も登場し、神戸港の今昔を描く。ストーリーは青山さん、絵は谷川さんが中心となって仕上げた。
原本の寄贈を受けた市で印刷・製本し、市立小164校に計1万3700部を配る。