神戸市、学校園などでの「積極的PCR」中止 高齢、障害者施設を優先
2022/01/27 05:30
神戸市役所=神戸市中央区
学校園や福祉施設で新型コロナウイルスの感染者が出た場合に、同じクラスやフロアの全員にPCR検査を実施する「積極的検査」について、神戸市保健所は26日、同日から当面の間、学校園や保育所を対象から外すと発表した。対象者が増えすぎて検査が追い付かないためで、重症化リスクが高い高齢者・障害者施設の対応を優先するという。(長谷部崇、綱嶋葉名)
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新型コロナ患者が発生した場合、市は濃厚接触者だけでなく、感染が広がりやすい学校園や福祉施設で同じクラスやフロアにいた人もPCR検査を実施してきた。対象者に唾液を採取する検査キットを配布。市が委託契約する民間の検査機関に分析を依頼している。
民間検査機関では1日約千件検査でき、通常は検体を持ち込んだ当日か翌日に結果が分かる。しかし先週末から1日の新規感染者が千人を超えるようになり、特に学校園や保育所での積極的検査が急増。現在は、結果判明まで2週間かかるケースも出てきた。このままでは陽性率が高い濃厚接触者への対応にも影響が出かねないとし、市は積極的検査は高齢者や障害者施設に限ることにした。
市教育委員会も対応を変更。学校園ではこれまで感染者が所属するクラス全員にPCR検査を行い、全員分の検査結果が出るまで学級閉鎖としていたが、26日から当面の間、感染者が判明した翌日から原則5日間(土日含む)に変更した。PCR検査の対象は濃厚接触者のみとなる。
仕事などを理由に保護者が自宅で子どもの面倒をみられない場合は、学級閉鎖から3日目以降に自主的にPCR検査を受け、陰性結果を学校に示せば、子どもを学校に預けられる。その場合は授業は行わず、自主学習となる。学童保育への受け入れも同様の対応とする。
保育所や学童保育施設は運営を続けるが、可能な範囲で家庭保育への協力も呼び掛けている。