ごみ箱から感謝の声?「仕掛けごみ箱」で目指せぽい捨てゼロ 神戸市と学生らが実証実験

2022/02/04 05:30

ぽい捨てゼロを目指してさんきたアモーレ広場に設置された「仕掛けごみ箱」と、手掛けた県立大の学生ら=神戸市中央区加納町4(市提供)

 ごみのぽい捨てゼロを目指し、神戸市と企業、大学生が工夫を凝らして制作した「仕掛けごみ箱」で、市民の行動にどう影響するかを調べる実証実験が、阪急神戸三宮駅北の「さんきたアモーレ広場」で行われている。おしゃれなデザインで、感謝の音声が流れるなど「捨てたくなるごみ箱」を21日まで設置。ぽい捨て状況の変化などを調べて公表し、環境美化の機運向上につなげる。(初鹿野俊) 関連ニュース 積雪の道を歩いていたら…雪の街に突如、あらわれた「双子の怪物」が話題に 電光掲示板に映し出された「ごみ箱」… 哀しきパチンコ店の光景が話題 店の関係者「たまにエラーになる」 「マイクロビーズクッションは気安く捨てるんじゃないよ!」収集作業員の悲痛な叫び


 同広場は昨秋のリニューアル前からぽい捨てが課題で、市は解決を模索。包括連携協定を結ぶP&Gジャパン(同市中央区)から、好奇心をかき立てられる「仕掛けごみ箱」の導入を提案され、知見を持つ県立大国際商経学部の黒川博文講師(行動経済学)に協力を仰いだ。県立大生のほか、知的交流拠点「アンカー神戸」を通じて募った他大学の学生らと、仕掛けごみ箱を設置することになった。
 ごみ箱は、P&G製品の製造工程や使用済み商品から回収したプラスチックを原料とし、燃えるごみ用と缶・びん・ペットボトル用の各2個を用意した。ごみが投入されるとセンサーが反応し、神戸弁や英語などで感謝のメッセージを流す機能を備える。学生らがデザインし、外観には六甲山や神戸ポートタワーなどをあしらった。ぽい捨てが多い広場周辺3カ所で仕掛けごみ箱利用を誘導する看板も、学生らが手掛けた。
 約1カ月の実験期間中、音声や看板の有無などの条件を1週間ごとに変えながら、学生らがぽい捨て状況や仕掛けごみ箱の中身の量や内容、どんな人が捨てたかなどを調べる。
 市は「調査結果を公表することで、ぽい捨てに悩む公園や施設の管理者らに解決方法の選択肢を示しながら、市民の環境意識も高められれば」としている。

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