社長は元校長、全校生が株主 長田商高が会社設立 地元商店と連携、アプリ開発など事業展開

2022/02/24 05:30

設立総会で登壇した三浦和也さん=神戸市長田区池田谷町2、長田商業高校

 長田商業高校(神戸市長田区池田谷町2)が1月中旬、「株式会社NAGAZON」を設立し、2月17日に同校で設立総会が開かれた。同校の元校長が社長を務め、全校生徒が株主となる。地域活性化を目指し、長田神社前商店街の各店舗などと連携しながら、商業高校で学んだ知識を生かして事業展開していくという。(小野萌海) 関連ニュース 絶対にプログラミングを教えない? そんなITスクールから年収1000万円超えの生徒続出のワケ 社会福祉起業家の卵をサポートする”出会い系”カフェ 対面でこそ得られる「気づき」が満載、大阪 副業の年収「10万円未満」が6割…「少しでも収入が増えた」「思ったより稼げない」明暗めぐり多様な声


 同社は、生徒が実践的・体験的にビジネスを学び、新たな仕事を生み出す「起業家精神」を養うことを目的に、1月14日に立ち上げられた。同校によると、定時制商業高校が株式会社を設立するのは、全国でも初めてという。
 学校はこの株式会社から事業委託を受け、立候補した代表生徒7人が中心となって、企画や運営を担う。設立や運営のための資金は、クラウドファンディングや同窓会から寄付を募った。4月から、在籍している全校生徒が株式を持って出資し、利益は生徒に還元される。
 同校生徒たちは毎年、長田神社前商店街などの協力を得て、商品開発や販売実習を行ってきた。今後はビジネスとして、商店街の商品を販売するアプリの開発や、フリーペーパーの作成などに取り組んでいくという。
 設立総会では役員が承認され、生徒代表があいさつした。2年生で生徒代表ゼネラルマネジャーを務める中西雄心(ゆうし)さん(17)は「授業でやってきたことを、実際に利益が出るように、試行錯誤しながらやっていきたい」、ゼネラルマネジャーの1年三浦和也さん(16)は「家業の手伝いで、お客さんや同業者とのやりとりが大事だと感じたので、それを広げることで地域を盛り上げたい」と意気込みを話した。

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