廃虚の女王「旧摩耶観光ホテル」CG動画や映像を公開 立ち入れないホテル跡活用
2022/02/01 05:30
旧摩耶観光ホテルのCGモデルを使ったオンラインツアー(VoxelKei氏提供)
国の登録有形文化財で、「廃虚の女王」と呼ばれる「旧摩耶観光ホテル」(神戸市灘区畑原)のCGモデルをVR(仮想現実)空間に再現し、特設サイトで動画や映像として公開する実証実験が始まった。現在は立ち入れない同ホテル跡を活用した、収益モデル化への可能性を探っていくという。(長谷部崇)
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摩耶山の活性化を目指し、産業遺産の保存・活用に取り組むNPO法人「Jヘリテージ」(同市兵庫区)が企画。VR製作会社などでつくるチーム「メタバースマスターズ」がCGモデル作りなどを手掛けた。
ドローンなどで撮影した高画質写真とレーザースキャンによる測量データを組み合わせ、同ホテルの3次元コンピューターグラフィックス(3DCG)モデルを作成。上空から建物を俯瞰し、荒廃した内部を探索する動画など、周囲360度を見渡せる映像を特設サイトで公開している。
広大な余興場跡では、ステンドグラスの落ちたアーチ窓から日の光が差し込む。壁や天井の痛み具合や床に散乱する木材・コンクリート片などの様子も、手に取るように分かる。
アバター(分身)を通じてVR空間で交流する「VR chat」では2月5日午後7時から、同ホテルのCGモデルを使ったオンラインツアーを開催する。先着20人で無料。同日と12日の午後1時半から、実物のホテル内を案内する動画配信もある。
詳細は、サイト「旧摩耶観光ホテル活用実証実験プロジェクト」で。摩耶ロープウェー「星の駅」では2月中旬まで、スマートフォンを装着する「VRビューア」を無料配布。「摩耶ケーブル駅」でも2月2、7日の午前10時~午後3時に無料で配布する。