ダウン症の書道家・隅野さん 東日本大震災被災者への温かい言葉、20点披露

2022/03/10 05:30

元気が湧く言葉を紡いで展示会を開いた隅野由子さん=神戸西神オリエンタルホテル

 ダウン症の書道家隅野由子(ゆうこ)さん(36)=神戸市西区=による作品展が9日、神戸西神オリエンタルホテル(同区糀台5)で始まった。東日本大震災の被災者へ向けた温かいメッセージや、元気が出る言葉など約20点が並ぶ。15日まで。 関連ニュース ダウン症の少女がのりPRに一役 パッケージに文字添える ダウン症の娘育てる母親が絵本 着想は、のし袋に感じた「不思議な縁」 独特の感性で「みんなを笑顔に」 ダウン症女性が詩集

 隅野さんはオーストラリアに留学した高校時代、現地で書道と水墨画に出合った。前向きで明るい作風は国内外で評価が高い。
 地元のそごう西神店で作品展を開いてきたが、2020年に閉店。新型コロナ禍もあって公の場に出る機会が減る中、家族からの提案を快諾した同ホテルで約2年ぶりに実現した。
 「命をたくして次につなげる これが命を使うという事なのかな」
 東日本大震災から11年を前に言葉を紡いだ。「被災者の皆さんの背中を押したい」との思いを込めた。
 「明日という新しい日を想(おも)うことが元気になれるので好きです」「たった一日一回大笑いするだけで それだけで元気になる」
 見る人へのエールも並ぶ。
 「自分の作品を見て元気になってほしい」と隅野さん。「悩んでいる人に『独りじゃないよ』って声をかけてあげたい」と話す。
 無料。午前11時~午後6時(15日は同4時)。事務局TEL078・939・2709
 今回の作品展に密着した様子などは4月16日、サンテレビの番組でも紹介される。(安福直剛)

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