「山健組」追放へ住民ら決起「暴力団は出て行け」 神戸・花隈 11日に事務所使用差し止め申し立て

2022/03/12 17:45

暴力団追放へ気勢を上げる住民ら決起集会の参加者=神戸市中央区花隈町

 特定抗争指定暴力団山口組の傘下団体「山健組」が事務所を置く神戸市中央区の花隈公園で12日、住民グループが暴力団追放を目指す決起集会を開いた。「花隈といえば山健」というイメージを変えたい-。その一心で集った住民ら約100人が「暴力団は出て行け」と気勢を上げた。 関連ニュース 【動画】山口組組長到着で怒声、もみ合い JR新神戸駅 バッグに詰まった凶器「好きなん使え」 豹変した“オヤジ”、半グレが震え上がった夜 神戸山口組の構成員550人に 3年前の3分の1 山口組との抗争で離脱相次ぐ

 グループは「花隈町暴力団追放市民の会」。事務所周辺では2010年に手りゅう弾が爆発する事件が発生。15年に山口組を巡る分裂抗争が始まると、19年には近くの路上で組員2人が射殺された。
 不安を募らせた住民は県警に相談し、連携して事務所撤去を目指すことに。11日には住民約40人の委託を受けた暴力団追放兵庫県民センターが、事務所の使用を差し止める仮処分を神戸地裁に申し立て、その一歩目を踏み出した。
 決起集会では市民の会会長の70代男性が「事務所周辺は小学生の通学路で、子どもたちが被害に遭わないか心配だった。山健組を解散させ、『怖い街』というイメージを払しょくしたい」と思いを述べた。
 事務所は現在、暴力団対策法の特定抗争指定に基づいて20年から使用が禁止されているが、抗争が終結すれば組員らの立ち入りが可能となってしまう。
 約30年前から事務所近くに住む自営業の60代女性は「近くのマンションに組員が出入りし、会合では黒塗りの車も集まってくる。皆怖くて声を上げられなかった。組員が不在にしているこの機を逃してはいけない」と言葉に力を込めた。

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