「なぜ大学誘致なのか」市議らに激しく追及 王子公園再整備で市民集会

2022/04/25 05:30

王子公園の今後について、市会議員と意見を交わす地元住民ら=神戸市灘区王子町3

 神戸市が計画する王子公園(同市灘区)の再整備について、市会議員に見解を問う市民集会が23日、灘区王子町3の動物園ホールで開かれた。同公園に関心が高い約170人が集まり、大学誘致が決まった経緯や、広域防災拠点としての役割などについて、議員らに激しく追及した。(小谷千穂) 関連ニュース 【図解】王子公園 再整備の素案 王子動物園「都市型」に 遊園地を廃止し駐車場設置 スタジアム移転跡地に大学誘致 【写真】現在のスタジアム。北側に移転し、トラックは廃止される方針となっている


 地域住民でつくる「みんなの王子公園&動物園の会」が主催した。昨年12月、遊園地やテニスコートなどを廃止して、大学や立体駐車場とする素案を市が公表。同会は市民の声を反映するよう求め、約3万人分の署名を提出していた。
 集会には、大学誘致に賛成する自民、公明党の議員も出席。住民から「西区や北区、ポートアイランドではなく王子公園に誘致しないといけない理由があるのか」「人口減少対策になるという効果を示すデータはあるのか」との質問が相次いだ。
 また「阪神・淡路大震災の時に広域防災拠点として利用され、役立った。拠点機能はどうなるのか」との問いに、議員は「現段階で答えるのが難しいが、防災機能は必要」と返した。
 自分でパブリックコメントを書いたという本山中1年の男子生徒(12)=同市東灘区=は、「幼い頃からよく行った思い出の遊園地が、駐車場になると聞いて残念です。今後の動きをしっかりみていきたい」と話した。同会は署名活動を続け、今年6月に5万人の署名提出を目指すという。

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