まちリノベ~再整備リポート(1)名谷駅 子育てしやすい街目指し

2022/05/02 05:30

計画段階の駅ビル北館のイメージ(神戸市提供)

 都心・三宮から神戸市営地下鉄で約20分。名谷駅を中心としたこのエリアは、四つの団地(名谷、落合、白川台、北須磨)から成るニュータウンだ。自然豊かで、約5万5千人が暮らすが、街開きから40年以上を経て高齢化が課題になっている。 関連ニュース 【写真】人工芝が敷かれ、リニューアルされた須磨パティオの広場 全国初、百貨店内に図書館 座席予約システムや丸太のベンチも 大丸須磨店 安くて山盛り、青春の濃い味「トミポテ」 名谷駅前

 市は2019年、「名谷活性化プラン」を公表。商業や行政機能、文化・子育て環境の充実など再整備のメニューは多岐にわたり、にぎわいの再生に向け機運が高まっている。
 街の玄関口となる駅ビルは、開業以来の大規模改装を予定。改札付近を吹き抜けにし、明るく開放的な雰囲気に変える。24年秋をめどにテナント空間も改める。23年春には3階建ての駅ビル北館を新設。託児機能付きの就労の場も設ける。
 エリア内外の客が訪れる商業施設、須磨パティオは24年度に全館をリニューアル。詳細は今後決まるが、フードコートを入れて「食」の満足度を高める。
 子育てしやすい街に向けて保育施設も増やす。24年度前半に北須磨支所として7階建ての新ビルを造り、現在の駅ビルにある乳幼児健診スペースなどを統合。新ビルの下層階には店舗やオフィスも入る。
 駅北側にある落合中央公園は24年度、遊具を充実させる。さらに26年度以降、体験を楽しむことを重視した「コト消費」を提供する集客施設も誘致する。
 プランのうち、21年3月に大丸須磨店に図書館が開館し、今年4月には買い物広場の芝生化も完了。若年層の誘引へ歩みを進めている。(三島大一郎)
    ◇
■多世代集う豊かな街に 大丸須磨店店長・的地紀子さん(48)
 多世代が集い、都心とは異なる自然の豊かさを感じられる街であってほしい。より住みやすい環境を目指し人々の自発的な取り組みも広がれば、街はもっと活気づくはずだ。
 大丸としては、地域のハブ施設として人々をつなぐ存在になりたい。食品を中心に暮らしを彩る商品をそろえるのはもちろん、広場を活用して定期的にイベントを開くなどワクワク感も提供したい。
 館内に図書館ができたことで、30~40代のファミリー層が増えた。若年層の来店がさらに伸びることを期待したい。
   ◇
 1995年の阪神・淡路大震災後、長く手付かずだった地域でも新たな人の流れが生まれつつある。主なエリアの現状や将来像を6回にわたり紹介する。

【連載一覧】
【プロローグ】 郊外の「顔」刻々と変化

神戸新聞NEXTへ
神戸新聞NEXTへ