甘い香りが漂いそう!?瀬戸内の食文化をぬいぐるみに 口元、光沢…細部まで繊細 神戸・垂水

2022/05/22 05:30

茶色の「くぎ煮バージョン」と白色の「生体バージョン」。大鹿達弥校長も納得のでき=マリンピア神戸さかなの学校

 イカナゴのくぎ煮に広く親しんでもらおうと、水産体験学習館「マリンピア神戸さかなの学校」(神戸市垂水区海岸通)はぬいぐるみを作った。くぎ煮、生体バージョンの大中小3種類と、ネックピローを商品化。千円でくじを引くとどれかが当たる、という方法で販売している。(大橋凜太郎) 関連ニュース いかなごくぎ煮ドロップの味は… 明石焼き店が開発 【写真】イカナゴをモチーフにしたデザイン。某メーカーのマークにも見える? マリンピアに小さな水族館オープン 沿岸の魚など40種200点

 昨年、さかなの学校内に「小さな水族館」を開いた大鹿達弥校長(49)が発案した。同市長田区出身で、元須磨海浜水族園の飼育教育部長の大鹿さん。「くぎ煮を嫌というほど食べてきた」といい、「神戸の食文化」と強調する。一方で近年、不漁が続き、文化が途絶えないかと懸念。「一年中、身近に感じてほしい」とぬいぐるみを作った。
 「ザ・ロケット・ゴールド・スター」の名前で活動するイラストレーター山崎秀昭さんがデザインした。
 試作を繰り返し、しゃくれた口や、調理の過程で溶けた背びれ、しおれた尾びれも忠実に再現。光沢を刺しゅうで表すなど細部までこだわり、大鹿さんも納得のできに仕上がった。
 縁日のような気分で子どもに楽しんでもらえるようにと、4月下旬からくじ形式で販売を始めた。「くぎ煮を持ち歩ける」などとアピールする大鹿さんは、もちろん「くぎ煮推し」。しかし、期待をよそに、生体バージョンの方が人気という。大鹿さんは「子どもに親しんでほしいが、くぎ煮を選ぶのはシャレの分かる大人だけ」と苦笑する。
 まれにくぎ煮バージョンを選ぶ子どもを見るや、顔をほころばせる大鹿さん。今日も「くぎ煮」の売れ行きに一喜一憂しながら「一家に1個、くぎ煮のぬいぐるみはどうですか」と来館者に呼び掛けている。
 午前10時~午後5時。入館無料。マリンピア神戸さかなの学校TEL078・706・5550

神戸新聞NEXTへ
神戸新聞NEXTへ