モトコーで営業50年超、「淡水軒」マルシン市場で再出発 焼きギョーザの人気店、新メニューも
2022/07/21 05:30
ギョーザを提供する張克正さん、田路利加子さん夫妻=神戸市兵庫区東山町2
神戸市中央区・元町高架通商店街(モトコー)で50年以上営業してきた中華料理店「淡水軒」が、耐震補強工事のため立ち退きを余儀なくされ、同市兵庫区東山町2のマルシン市場で再オープンした。店主の張克正さん(63)、田路利加子さん(63)夫妻が、同市場の活性化を目指す動きに賛同し、移転を決めた。閉店前は惜しむ人の列ができたギョーザの名店は、新天地で再び歴史を刻む。(伊藤颯真)
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創業は1971年。当時から今年3月末に閉店するまでモトコー1番街の玄関口で営業を続けた。
78年、克正さんが祖父から店を引き継いだ。元は焼きギョーザの専門店だったが、代替わりを機に水ギョーザとラーメンをメニューに加えた。
人気の焼きギョーザはジューシーで、もちっとした分厚い皮に焼き目がしっかりとついている。かみ応えがいいのが特徴。特製のみそだれは3種類のみそに一味などを混ぜ、甘さの中にもほのかな辛さがあってビールとの相性は抜群だ。
モトコーの店を閉店後、2人は移転先を探した。みそだれを仕入れていたマルシン市場の中村漬物、中村雅義さん(39)の「地元を活気づけたい」という思いに賛同。新しい店を開く場所に選んだ。
同市場の店でも、以前と変わらぬ焼きギョーザ(税込み380円)や水ギョーザ(税込み600円)を食べられる。スープの仕込みができる場所を確保できなかったためラーメンは出せないが、1年を通じて冷麺の提供を予定している。
立ち退き、移転を「いろいろな思いがあって、とても一言で表すことはできない」と利加子さん。「今まで2人でやってきた。また2人で始める」と前を向く。
今後に向け「街中で、夜の時間帯を中心にしたこれまでの営業からがらりと変わる。どうなるか全く分からない」と話しつつ、「これまでのお客さんも大事にしながら、今までとまた違う人にも店を知ってもらえる」と新たな出会いを楽しみにする。
午前11時~午後5時(売り切れ次第終了)。水曜定休。淡水軒TEL078・577・3377