ヤングケアラーいる世帯対象、ヘルパー無料で派遣 神戸市が8月から受け付け
2022/07/23 05:30
神戸市役所=神戸市中央区
神戸市は、家族の世話に日常的に追われる18歳未満の「ヤングケアラー」がいる世帯を対象に、無料でヘルパーを派遣する訪問支援事業を始める。8月1日から受け付けを開始し、勉強など子ども本来の生活を確保することを目指す。こうした取り組みは全国的にも珍しいという。(名倉あかり)
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市は昨年6月、全国の自治体で初めて「こども・若者ケアラー相談・支援窓口」を市立総合福祉センター(同市中央区)に開設。今年5月末までに受けた相談は計176件で、うち匿名や市外からの連絡などを除いた69件についてサポートを行った。
ヘルパー派遣の相談は同窓口や各区役所の保健福祉課で受け付け、市が必要性を判断する。家族の障害や介護などの背景がある場合は、適切な福祉サービスへつなぐ。100世帯ほどの利用を見込んでいるという。
期間は原則、派遣開始から3カ月以内で、週1回(1回当たり2時間)が上限。子どもの修学旅行など、必要に応じて間隔を狭めて利用することもできるという。
利用できる援助は、食事の準備や後片付け▽衣類の洗濯、補修▽清掃▽生活必需品の買い物▽児童の世話-など。大掃除や衣替えといった特別な家事や医療行為の手伝いはできないとしている。
市家庭支援課の担当者は「保護者との関わりの中で家庭内の課題にアプローチしていきたい」と話した。