軽症、無症状連絡せず 重症化リスク者の対応優先 神戸市、コロナ急拡大で方針
2022/07/29 05:30
神戸市役所=神戸市中央区
新型コロナウイルスの感染急拡大を受けて、神戸市は28日、自宅療養者への電話対応を高齢者や基礎疾患のある患者らに絞る方針を明らかにした。病状が悪化した場合を除き、軽症や無症状者には保健所から体調確認連絡をしない。保健所が重症化リスクがある患者により適切に対応できるようにする。
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市内では、直近1週間の新規感染者数(約2万件)が第6波のピーク時(1月31日~2月6日)の約1・7倍に拡大。市によると、1日の感染者数が最大5千~6千人になることも予想されるという。
市は、これまでに自宅療養者に電話で情報を提供するフォローアップセンターの人員を従来の約70人から約170人に拡充。陽性者全員に電話連絡をして健康状態を確認していた。
しかし、感染者が急増したため、65歳以上の高齢者や基礎疾患のある人、妊婦らの重点的な支援に向け、対応変更を決めたという。
変更は8月1日から。65歳未満の軽症や無症状の患者には、症状が悪化すれば同センターなどに連絡を入れてもらうようにする。
また、保健所が患者の症状の変化を早期に把握できるよう、発熱や喉の痛みなどの症状を日々チェックする「健康観察入力フォーム」の運用も開始する。
変更点については、濃厚接触者の判定基準や療養期間の説明も盛り込んだチラシを、検査を受ける医療機関で配る。久元喜造市長は「さらに感染が拡大する恐れもある。重症化リスクのある患者の状況を適切に把握し、入院や治療につなげていきたい」と話した。
■若年層ワクチン促進へ 10~30代対象に3回目接種会場を新設
新型コロナウイルスワクチンの若年層の接種を促進するため、神戸市は30日、10~30代の市民らを対象にした3回目接種の会場を、市営地下鉄海岸線三宮・花時計前駅に新設する。土日祝日のみの運用で、市民であれば予約をせず、接種券がなくても受けられる。8月28日まで。
市によると、3回目のワクチン接種率(7月25日時点)は、市内全体で57.5%と伸び悩む。中でも若年層の接種が遅れており、12歳から30代は36%にとどまる。
感染「第7波」によって市内でも新規感染者が急増している。市は若年層に気軽にワクチン接種を受けてもらおうと、予約なしで接種券がなくても対応できる会場を設けることにした。ただし、身分証明書は必要。米ファイザー製のワクチンを使用する。
対象は、10~30代の市民と、市内の在勤・在学者。市外に住民票がある人は各自治体が発行する接種券が必要になる。1日先着約50人。受付時間は午後2~4時半まで。(三島大一郎)