外来生物の影響、見て触って学習 神戸に「展示センター」開設 記念でザリガニ、ブルーギルなど試食も
2022/08/22 05:30
特定外来生物「スポッテッドガー」の生体や、哺乳類の標本などを集めた外来生物展示センター=神戸市長田区苅藻島町3
神戸市内で確認された外来生物を見て学べる「外来生物展示センター」が21日、苅藻島クリーンセンター(長田区苅藻島町3)内にオープンした。ブルーギルやスポッテッドガーなど生きた個体12種約150匹と、哺乳類や昆虫の剥製、標本12種25点を展示。記念イベントではクイズやアメリカザリガニの試食があり、来場者約100人が生物多様性を考えた。(金 慶順)
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外来生物は、もともと生息していなかった場所に人が持ち込んだ生き物。在来種の生存が脅かされたり、農作物が食い荒らされたりする問題が広がり、市内でも被害が報告されており、市が啓発拠点として開設した。外来生物に特化した展示施設は珍しいという。
先行してオープンした生物飼育棟では、ブラックバスやアカミミガメなどを飼育。ヌートリアの剥製や、手で触れるアライグマの毛皮、外来カミキリムシの標本もある。西区の玉津第一小学校4年の女子児童(9)は「外来生物のことは勉強しているけど、ガーが口を開けて泳いでいるのを初めて見た」と驚いた様子。
それぞれの展示には「飼えなくなった飼い主が野外に放して全国に広がった」「水辺の生態系に大きな影響」といった、警告を兼ねた説明も添えている。
記念イベントでは、アメリカザリガニのボイルが酢みそやマヨネーズなど3種類のソースと共に振る舞われた。調理スタッフは「エビやカニみたいな味」と紹介。北区の小部小学校2年の男子児童(7)は一口食べて首をかしげたが、次第に「よくかむとおいしい。夜ご飯に出てきてほしい」と笑顔になった。ブルーギルの南蛮漬け、ブラックバスのムニエル風も試食した。
見学は土日の午前11時から午後5時までで、要予約。同センターのホームページから申し込む。本年度中に「展示ホール」も開設して展示を増やす予定。