虎党の4代目店主「菊水昆布」惜しまれ閉店へ 勝利翌日は割引「ほんまにお客さんのおかげ」常連客も次々
2022/08/30 05:30
「菊水昆布」を営む清水さん夫婦。自慢の阪神タイガースグッズが飾られている=神戸市兵庫区荒田町4
神戸市兵庫区の市場「ハートフルみなとがわ」にあって、阪神タイガースへの愛情を前面に押し出し地域に親しまれてきた乾物店「菊水昆布」が31日で閉店する。閉店を惜しむ常連客らが次々と訪れており、4代目の清水好章さん(76)と妻の孝子さん(73)は「こんなに長いことやってこられたのはほんまにお客さんのおかげ」と目を細めた。(伊藤颯真)
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同店は1947(昭和22)年に開業した。前身の「清水商店」時代を含めると、歴史は約100年にもなるという。
熱心な阪神ファンの好章さんは40年以上にわたって、試合に勝った翌日は特定の商品を割引販売してきた。思い出すのは2003年。阪神が18年ぶりのリーグ制覇を果たした年だ。「うれしかったという言葉では表せないほどの気持ちだった」といい、「お客さんと喜びを分かち合いたい」と10点以上の昆布やつくだ煮を半額で販売した。
「朝から晩まで約20人の列が途切れなくて。そのうち、お客さん同士で『横入りするな』とけんかになったり。あのときはすごかったよ」とほほえむ。
体力の衰えを感じながらも、76歳まで店を続けたのにはこだわりがあった。「父も兄も76歳で亡くなった。身体が弱くなって働けなかったため、元気で働けることに感謝して、この年になるまでは絶対に働きたかった」と振り返る。
50年以上通っているという同市兵庫区の男性(85)は「こんなにおいしいのにやめるなんてもったいない。ご飯の箸休めに食べる物がなくなってしまう」と残念がった。
清水さんは「お客さんがおいしかったよと笑顔で話してくれるのがうれしくて続けてこられた。お客さんに申し訳ないし、さみしくもなるが、最後まで喜んでもらえるよう頑張りたい」と笑顔を見せた。