シカ用監視カメラを増強 神戸の六甲山 市街地に出没、市長が危機感「防衛ライン突破されたかも」
2022/09/14 05:30
シカの監視体制強化のため設置されたセンサーカメラ=神戸市東灘区、六甲山中
神戸市灘区の市街地で5月、シカが現れたことを受け、神戸市は状況を把握して対策に生かすため、六甲山に通信機能付きセンサーカメラの設置を始めた。新しいカメラは対象の動きや温度に反応し、撮影した画像をほぼリアルタイムで送信可能。市はシカを確認すれば捕獲に努めるという。
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ニホンジカは草や樹皮を食べ、人体にも被害を与えるマダニやヤマビルを媒介するとして、市は定着を懸念。繁殖が確認されている北区などから六甲山への侵入を防ごうと、2017年からカメラ109台の設置を進め、昨秋は山中でオス1頭が撮影された。
対策を強める中、今年5月12日、灘区南部の市街地にシカが出没。公園内などで目撃され、市の依頼で猟友会が出動した。
久元喜造市長はその後の定例会見で「(六甲山の)防衛ラインが突破されたかもしれない」と危機感をあらわにし、「見た目はかわいいが、健康への影響も含め、問題があることを理解してほしい」と話した。
従来のカメラは、撮影した画像データを確認できるようになるまでに数カ月の時差があるため、久元市長は「シカに負けている」としてより機能性に優れたカメラ計50台の導入を発表。6月の補正予算案に関連費1500万円を計上した。
市は、シカと遭遇した際はその場を離れ、市鳥獣相談ダイヤルTEL078・333・4408へ連絡するよう呼びかけている。(名倉あかり)