やっぱり「自分がやらないと」ランニング中、溺れる若者を見て… 神戸・灘区の男性、フェンス越え、海へ
2022/09/25 05:30
海で溺れている男性を助け、のじぎく賞を受けた崎山亮太さん(左)=葺合署
神戸市中央区脇浜海岸通付近の海で8月6日、溺れていた10代の男性を救助したとして、兵庫県警葺合署は同市灘区に住む会社員の崎山亮太さん(41)に、県の善行賞「のじぎく賞」を贈った。
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休日はいつも10キロランニングするという崎山さん。この日も定番のコースを走っていたという。
約6キロ走って、HAT神戸の周辺に差し掛かった所で、海の方で若者が騒いでいるのに気がついた。
異常を感じて近づくと、海で男性が溺れており、友人らしき2人が助けようとしていた。
「助かりそうだし、大丈夫かな」。いったんはそう思い、再びランニングに戻ろうとした。でもやっぱり気になった。よく見ると、男性を引き上げられず、救助はうまくいっていない様子だった。
「自分がやらないと」。すぐにフェンスを越えて、海に飛び込んだ。夢中で海中から男性を押し上げる。男性は意識と呼吸がなかったが、心臓マッサージと人工呼吸をすると息を吹き返した。その後、病院に搬送され、一命を取り留めた。
「とにかく必死だった」と崎山さん。後で助かったと聞いて、胸をなで下ろした。
後日、男性の母親から電話があった。母親は男性の無事とともに「本当にありがとうございました」と感謝の言葉を伝えたという。
崎山さんは、水難事故のニュースが多くて心を痛めていたといい、「判断を間違えずに行動できて安心している。微力ながら役に立てて良かった」と笑顔をみせた。(領五菜月)