ミサイル発射でJアラート、もし対象地域ならどうする? 担当者「着弾まで短時間、すぐに対応を」

2022/10/08 05:30

神戸新聞NEXT

 北朝鮮の弾道ミサイルが発射された4日、上空を通過した青森県や北海道に全国瞬時警報システム(Jアラート)を通じて緊急情報が発信された。もし兵庫県の方向に発射されていたら、市民にはどのように情報が伝わるのか。取るべき対応も含めて神戸市危機管理室に聞いた。(三島大一郎) 関連ニュース 中国の脅威に備え…今求められている「アジア版NATO」 日米同盟を超えた安全保障の枠組みの必要性 既に日本はライバルではない…「大国」として自信をつける中国の対日姿勢を戦略的に見極めよ “同床異夢”の中露首脳会談 表向きは対欧米での共闘だが…習氏が気にする「プーチンリスク」


■情報は? スマホに緊急速報メール、屋外スピーカーでサイレンなど
 ミサイルが発射されたのは、同日午前7時22分ごろ。国はJアラートを活用して、同27分に北海道、同29分に青森県へ発射情報を発信した。ほぼ同時刻に青森上空をミサイルが通過したとされる。
 今回、兵庫は対象エリアに含まれなかったが、Jアラートの発出に連動して同室職員らには発射情報がメールで配信され、一部の職員がミサイルの続発に備えて情報収集に当たった。
 同室によると、兵庫が対象となった場合は、市内の防災行政無線が自動的に起動し、屋外スピーカーとラジオ型受信機から、特別なサイレン音とミサイルの発射情報などが流れる。また携帯電話会社を通じて県内にいる人の電話に同様の情報がメールで送られる。
 ひょうご防災ネットや、市が配信する防災アプリ「KOBEそなえとう」に登録していれば、同じ情報を受信することもできる。
 発射情報の後は、①日本に落下する可能性がある②上空を通過した③領海外の海域に落下した-それぞれのケースに応じた情報が続報として伝えられる。
 緊急情報の発信には、自治体や報道機関向けの速報システムEm-Net(エムネット)も活用され、テレビやラジオなどでも国民に情報が伝わる仕組みとなっている。

■行動は? 窓から離れ地下施設へ、ハンカチなどで口と鼻を覆う
 では、兵庫が対象エリアになったら、どのように行動すればいいのか-。国は置かれた状況に合わせた行動を呼びかけている。
 屋外にいる場合は、近くの頑丈な建物の中か、地下に避難するよう求めている。市は今年2月、市内の地下施設47カ所を国民保護法に基づく「緊急一時避難施設」に指定した。ただ、市街地に集中しているため、他の地域でも広く確保することを目指している。
 付近に建物がない場合は物陰に身を隠すか、地面に伏せて頭部を守る▽屋内にいる場合は窓から離れるか、窓のない部屋に移動するよう求めている。
 近くにミサイルが落ちた場合は、屋外ならハンカチなどで口と鼻を覆い、密閉性の高い屋内や風上に避難する▽屋内なら換気扇を止め、窓を閉めて目張りをするよう促している。
 同室の担当者は「Jアラートの発信からミサイルの着弾までは、極めて短時間と想定される。すぐに行動してもらえるよう啓発を続けたい」としている。

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