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三男の俊浩さんや「ふれあい」について語る大槻ふきゑさん。壁には俊浩さんの書道作品を飾っている=丹波市市島町
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三男の俊浩さんや「ふれあい」について語る大槻ふきゑさん。壁には俊浩さんの書道作品を飾っている=丹波市市島町
大槻ふきゑさんが46歳のときの「天国の息子へ」
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大槻ふきゑさんが46歳のときの「天国の息子へ」

 神戸新聞朝刊くらし面のコーナー「ふれあい」が今年、開設から丸40年を迎えた。1977(昭和52)年1月に始まり、家族や友人との心のふれあい、日々の出来事などを書きとめた読者の投稿を掲載してきた。丹波市市島町の大槻ふきゑさん(80)は難病で息子を失った直後の84年に投稿。折に触れ息子への思いをつづり、これまでに約40本が紙面を飾った。大槻さんは「あの子と会話するような気持ちだった。ふれあいに書くことで救われた」と振り返る。(中島摩子)

 小中学校で生徒会長を務めた三男の俊浩(としひろ)さんは、兵庫県立柏原高校2年の84年5月23日、再生不良性貧血で亡くなった。16歳だった。「毎日お墓に行って泣いた。こんなに涙があるなんて。どれだけ泣いたか分からない」

 約1カ月後の6月28日、当時46歳だった大槻さんの投稿「天国の息子へ」が載った。「七カ月の闘病生活の間、一度だって弱音をはかず、いつも私を励まし、最後までがんばったのにとうとう力尽きたあなた」。大槻さんは「書くことがあの子への供養になると思っていたのかもしれない」と話す。

 その後も「二十歳の誕生日おめでとう」「今日は父の日でしたよ。覚えていますか。保育所でかいたお父さんの絵」など俊浩さんへのメッセージを記した。

 投稿をきっかけに交流も生まれた。神戸市の女性から届いた8枚の便せんには、励ましや同じような病気で15歳の息子を亡くしたことが書かれていた。その後、面会した2人は「お互いに涙の乾く暇がなかった」というほど慰め合ったという。

 直近の掲載は、今年1月28日。「原点」の題で、俊浩さんを失った当時を振り返り「せっせと投稿し、その都度見知らぬ方々からお便りをいただき、立ち直ることができた」と書いた。

 過去の投稿を冊子にまとめている大槻さん。「このごろやっと、人生に無駄なことはないと言えるようになった。書くことで少しずつ前向きに生きてこられた」と柔らかい表情を見せた。

     ◇

【ふれあい】 暮らしの中の喜怒哀楽などをテーマにした読者投稿欄。開設から今年1月7日で40年を迎えた。週4回(月、水、金、土曜日)のくらし面に各1本ずつ掲載中。

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