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セキセイインコのプリンちゃんに声を掛ける山本祐子さん(左)と松丸純子さん。肩に乗っているのはキンカチョウのマロンちゃん=播磨町(撮影・吉田敦史)
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セキセイインコのプリンちゃんに声を掛ける山本祐子さん(左)と松丸純子さん。肩に乗っているのはキンカチョウのマロンちゃん=播磨町(撮影・吉田敦史)
胸元に、黒の真珠ネックレスをしたような模様がある「ぴーちゃん」(山本さん提供)
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胸元に、黒の真珠ネックレスをしたような模様がある「ぴーちゃん」(山本さん提供)

投稿がつないだ縁を大切に

山本祐子さん 宝塚市 主婦・59歳、松丸純子さん 播磨町 主婦・67歳

▼2014年6月20日掲載

 2年前から、セキセイインコを飼い始めた。ひなから育て、手乗りにし、いろいろ言葉を教えていたら、ある日、「ぴーちゃん」とおしゃべりを始めた。飼ったのがたまたまオスで、にぎやかなわが家になじんだようだ。

 私が教えたけれど、「お母さん、お帰り、待ってたよ」と言われると、とてもうれしい。本によると、セキセイインコは、人間の2歳児くらいの知恵があるらしい。

 鳥籠から出して、部屋の中で遊ぶが、時々素直に帰宅してくれないことがある。あの手この手で、鳥籠に戻そうとするが、「帰らないもーん」と逃げてしまう。

 考えてみると、私に、心の余裕(時間も)があると、素直に帰宅しているようで、ああ、今日は、この後、あれして、これして、と考えていると敏感に察知して、帰らないような。

 980円で買ったセキセイインコに、いろいろ教えられる今日このごろだ。山本祐子

▼今回寄せられた投稿より

 先日、山本さんが飼っているセキセイインコが天国へ旅立ったとお便りをいただきました。ショックでした。私はプリンちゃんのそばで「ぴーちゃんがお空へ行ったよ」と声を掛けました。涙が止めどなく出てきました。そして山本さんのことが気掛かりで、すぐにお便りしました。山本さんから返事が来て少しずつ癒やされていることを知りました。私はほっとしました。

 山本さんとはふれあい欄を通して出会いました。セキセイインコを飼っているというきっかけで文通が始まりました。旅先からもお便りをくださるという筆まめな方です。

 現在進行形のお付き合いです。離れていても、顔を見なくても言葉は生きていて私たちをつなげてくれるんだなと思っています。“喜ぶ者といっしょに喜び、泣く者といっしょに泣きなさい”(聖書より)。今回は山本さんの悲しい体験を共有させていただきました。ふれあい欄を読むこと、また投稿できる幸せをかみしめています。松丸純子

            ◇◇◇

 見ず知らずの二人を結んだのは、セキセイインコとの暮らしをつづった「ふれあい」だった。宝塚市の主婦山本祐子さん(59)と播磨町の主婦松丸純子さん(67)。山本さんの投稿がきっかけで、約3年にわたりはがきでの交流を続けてきた。このほど山本さんが松丸さん宅を訪れ、初めて対面。山本さんはその“縁”を取り持った愛鳥を3月に失っており、松丸さんがそっと悲しみに寄り添った。

 山本さんが愛鳥とのエピソードを紙面に寄せたのは2014年6月。2年ほど前に自宅にやってきた、おしゃべり上手で、人懐こい「ぴーちゃん」の話だった。投稿を目にした松丸さんも同じ頃からインコのプリンちゃんを飼い始めた。「文章から家族のように大切にしているのが伝わって、お近づきになりたかった」と松丸さん。神戸新聞を通じて山本さんへはがきを送ると、すぐに返事があった。山本さんはその後も、おしゃべりで家族を元気づけるぴーちゃんの話をつづった。以来、互いの投稿が掲載されると必ず、「読みました」とはがきで感想を寄せ合う仲に。愛鳥の近況も添えた。

 山本さんが「ふれあい」に頻繁に投稿するようになったのは5年前。乳がんになったのがきっかけだ。「できることを楽しもうと、小さい頃から好きだった文章を書き始めた」。日常のささいな出来事を書くことで前向きになれたという。

 「もともと筆無精で、自分の話をするのが下手だった」という松丸さんは39歳の時に初めて投稿。「書くことで自分を少しずつさらけだせるようになってきた」と笑顔を見せる。

 今年に入ってからの二人のやりとりは10通を超えた。旅行先のカナダが花盛りで美しかったこと、体調を崩してしまったこと…。便りや報告は愛鳥の話題を超え、日常にまで広がった。

 今年3月24日に、ぴーちゃんが5歳で死んだ時、山本さんは真っ先に松丸さんへ便りを書いた。松丸さんは、プリンちゃんに報告しながら涙が止まらず、すぐに返事を投かんした。

 初めて会った二人は、来客で緊張気味のプリンちゃんを前に、愛鳥の話題で盛り上がった。ぴーちゃんの写真を手に、「あー、こしいた」「ぴーちゃん、バカじゃないです」などユニークなぴーちゃん語録を思い出し、笑い合った。「お話しするようにお便りしていたから、初めてとは思えないね」と口をそろえた。

 「声が聞こえない朝や、眠る前に暗くしようと、鳥籠にカバーを掛けていた夜8時になると、もういないんだと実感させられて」。目頭を押さえる山本さんの隣で、松丸さんがうなずく。「私も寂しい。ぴーちゃんと山本さんには、喜びをたくさんもらってきたのよ」と声を掛けた。「松丸さんと会うご縁をプレゼントしてくれた。ぴーちゃん、ありがとう」。山本さんにも笑みがこぼれた。

 山本さんは4月、セキセイインコの「きゅーちゃん」を家に迎えた。「お便り待ってますね」。帰り際、松丸さんが手を振った。(貝原加奈)

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