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一戸建て用宅配ボックスの使い方を説明する金田和也社長=三田市加茂、かね庵
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一戸建て用宅配ボックスの使い方を説明する金田和也社長=三田市加茂、かね庵
パックシティ ジャパンと日本郵便の2社が宅配ロッカーを設置するJR六甲道駅=神戸市灘区永手町4
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パックシティ ジャパンと日本郵便の2社が宅配ロッカーを設置するJR六甲道駅=神戸市灘区永手町4

 不在時でも荷物を受け取れる宅配ボックスで、一戸建て向けの製品に人気が集まっている。大手メーカーには昨年の5倍もの注文が殺到。背景には、インターネット通販の急拡大に加え、共働き世帯の増加などがある。宅配便の総量と再配達が増え、宅配ドライバーの不足や長時間労働の問題も浮上。宅配ボックスの一戸建て設置や、駅などで受け取るスタイルなどが“救世主”として急速に広がっている。(山路 進、末永陽子)

 パナソニック(大阪府門真市)は3月に昨年の月平均と比べて5倍超の2千台以上を受注。想定外の数で、4月に予定した新製品発売を6月に延期した。ハウスメーカーなどは宅配ボックス付き戸建て住宅や、玄関一体型ボックスなどの販売に乗り出す。

 「再配達問題が取りざたされた春先から、急に問い合わせが増えた」と兵庫県三田市の外構工事会社「かね庵(あん)」の金田和也社長(44)。昨年までは年に1、2台だった注文が、今年はすでに3台。さらに3台が商談中だ。金田さんは「『共働きで留守がち』という家庭がほとんど」。設置費は20万円前後だったが、品数が増えて10万円以下でも可能になったという。

 みかん箱が入るサイズが主流。荷物を入れて扉を閉じると施錠され、伝票を差し込み口に入れてボタンを押すと、配達証明の印鑑が押される仕組みだ。昨年新築した戸建てにボックスを設けた神戸市灘区の女性(39)は「特に重たいものを届けてもらえるのが便利」と話す。

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 自宅以外で荷物を受け取るスタイルも。ヤマト運輸と仏企業との合弁会社「パックシティ ジャパン」(東京都)は駅など全国320カ所以上に宅配ロッカーを設ける。同社は「身元を明かす必要もなく、働く女性に人気」。兵庫県内では日本郵便が設置する4駅を含め、神戸・阪神間計16駅に設置されている。

 生鮮食品などが買えるネットスーパーでも活用される。コインロッカー製造大手の「グローリー」(姫路市)は昨年12月、冷蔵機能付きの宅配ロッカーを発売。「ライフコーポレーション」(大阪市)が東京都内2店舗に導入した。

 購入後に暗証番号がメールで届き、店舗にあるロッカーから商品を取り出す。ライフによると「レジに並ばなくてもいい」と好評。グローリーは「普及に力を入れたい」としている。

■再配達「2、3回は日常的」

 ネット通販は「返品無料」や「即日配達」などのサービス向上とともに急成長した。国土交通省によると、宅配便量は上昇を続け、2015年度は前年度比3・6%増の37億4500万個と過去最高を記録。16年度はさらに上回ることが確実視される。また、再配達率は約2割を占め、走行距離の約25%が再配達に費やされているという。

 「運転中も携帯が何度も鳴る。そのたびに配達ルートを見直すのはいつものこと」。神戸市内の30代の男性運転手は打ち明ける。

 労働環境が厳しく、大手の協力会社を昨年退社した元運転手の50代男性も「指定された時間に、往復1時間かけて運んでも不在。2回、3回の再配達は当たり前だった」と振り返る。

 再配達の依頼は夜間に集中し、遅れのクレームと会社からの指示との板挟みだった。男性は「誰が利便性を支えているかを考えてほしい。今のままでは物流は崩壊する」と警鐘を鳴らす。

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