生活

  • 印刷
但陽信用金庫の窓口には、「ひょうご認知症サポート店」の専用ステッカーを明示している=加古川市
拡大
但陽信用金庫の窓口には、「ひょうご認知症サポート店」の専用ステッカーを明示している=加古川市
ロールプレイで認知症の人への対応を学ぶ店員ら=2016年7月、イトーヨーカドー明石店
拡大
ロールプレイで認知症の人への対応を学ぶ店員ら=2016年7月、イトーヨーカドー明石店

 高齢化が急速に進み、認知症高齢者の増加が見込まれる中、兵庫県は事業所と協力して環境整備を急いでいる。認知症高齢者が店舗での買い物や支払い、手続きなどに戸惑うケースが予想されるためだ。県は認知症について学び、「高齢者にやさしい」従業員を店頭に配置するなど、適切な対応に努める事業所を「ひょうご認知症サポート店」として登録。現在、60事業所をホームページで紹介しており、高齢対策課は「今後も増やしていきたい」と話す。(中島摩子)

 県の推計によると、県内の認知症高齢者は2015年の約24万人から、25年には30万~33万人に増加する見込み。そうなると、今以上に小売店や銀行、交通機関などでの料金の支払いや手続きに、症状を理解した声掛けなどが必要になるという。

 そこで、県は昨夏から、小売りや飲食店、交通機関、金融業などを対象に、サポート店への登録を募集。厚生労働省が推進する「認知症サポーター養成講座」の受講や、受講者の店頭への配置、専用ステッカーの掲示のほか、認知症の早期発見や見守りに独自に取り組むことも求めている。

 また、サポーターは勤務中はオレンジリングか、専用のシール、ピンバッジを身に着けることが必須。高齢対策課は「認知症の人や家族からは、オレンジリングを着けた人がいると『ほっとする』と聞く。『応援者がいる』というメッセージにもなる」と語る。

 サポート店になるには、県に申請書を提出。サポーター養成講座を開き、報告書も県に送る。それらを基に県が「認知症にやさしい事業所」と認めれば、名前などが県のホームページで公表される。現在、スーパーや喫茶店、薬局、美容院、パン店などが登録され、引き続き募集する。同課TEL078・362・9033

■症状知り、ATMなどで声掛け

 サポート店の一つで、県内に33店舗がある但陽信用金庫(本店・加古川市)は現在、98・3%の役職員が養成講座を受講し、新入職員の研修にも組み込む。

 きっかけは2008年ごろから、「現金自動預払機(ATM)の操作で困っているお年寄りがいる」「1週間前に通帳をなくし、またなくしたと訴えている」などの例が目立ってきたためだ。10年から養成講座の受講を進め、職員は認知症サポーターを示す「オレンジリング」を身に着ける。

 同金庫は阪神・淡路大震災後の独居死問題を受け、04年から、「独居高齢者宅のケア訪問」を続けてきた。約160人の渉外担当が、担当エリア5市5町の1人暮らしの高齢者宅約2300カ所を定期的に訪れ、安否確認を担う。

 姫路市や朝来市、加西市などの自治体と、高齢者らを見守る協定の締結も進めており、同金庫よろず相談室の古川昇室長(66)は「認知症の人や家族が安心して暮らし続けられる地域づくりのため、役割を果たしたい」と話す。

 明石市二見町のスーパー「イトーヨーカドー明石店」も昨年、サポート店に認定された。石黒薫店長(51)は「お客さんと信頼関係を築き、安心して買い物をしてもらう上で、認知症を理解し、対応することは欠かせない」とする。

 認知症の人が来店した際に「お金を出すのに時間がかかったり、話のつじつまが合わなかったり、感情の起伏が激しかったりするケースがある」と石黒店長。昨夏には店員ら49人が養成講座を受講した。

 ケアマネジャーから認知症の特性や本人の気持ちなどを聴いた後、財布を持たずに来た客や、少額の買い物なのに1万円札を出す客への声掛けをロールプレイで学んだ。受講した店員は現在、オレンジリングを身に着けている。今夏も店内で養成講座を開くほか、市民向けの講座も予定しているという。

生活の最新
もっと見る

天気(7月29日)

  • 32℃
  • 28℃
  • 40%

  • 32℃
  • 26℃
  • 40%

  • 33℃
  • 27℃
  • 30%

  • 33℃
  • 27℃
  • 40%

お知らせ