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「看取りを含め、すべての人に居場所がある地域づくりに関わっていきたい」と話す国森康弘さん=神戸市内
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「看取りを含め、すべての人に居場所がある地域づくりに関わっていきたい」と話す国森康弘さん=神戸市内

 神戸市垂水区出身のフォトジャーナリスト国森康弘さん(42)=大津市=の写真絵本「いのちつぐ『みとりびと』」第3集が出版され、シリーズ全12巻が完結した。在宅医療に取り組む滋賀の農村に密着した第1集、東日本大震災の被災地を取り上げた第2集に続く舞台は、東京のホームホスピス。「血のつながりがなくても、最期に寄り添うことができると教わった」と国森さんは話す。(田中真治)

 国森さんは神戸新聞記者を経て、2003年からフリーで紛争地や災害現場を取材。「望まない死」と向き合う中で、「対極的な温かい旅立ちを撮りたい」との思いが募り、看取(みと)りをテーマに撮影を始めた。

 現代では、病院や高齢者施設で亡くなる人が大半を占め、自宅で見送ることはまれ。「普遍的な命や死という問題について、子どもにも感じてもらえるように」と、写真を主体に見開きでまとめ、絵本の形で出版を企画した。

 ホームホスピスは、自宅での暮らしが困難になった高齢者を地域で受け入れる「第2のわが家」。密接な近所付き合いのない都市部での看取りのケーススタディーとして、東京都小平市に設立された「楪(ゆずりは)」の人々を、約3年にわたって見詰めた。

 最初に入居した98歳の多美さんが、先立つ仲間の手を握りながら見せる、温かな表情。入居を「家を追い出された」ように感じていたという清子さんが、新たな友といたわり合う日々を経て、安らかな眠りにつく姿。最期の時間をともに過ごした一人一人と別れるたびに、「自分の家族を失うように寂しい」とスタッフがこぼす涙-。

 看取りは「命のバトン」を引き継ぐ行為だと、国森さんは考える。「都市部でも『とも暮らし』という緩やかな家族の形をヒントに、温かな看取りが広がってほしい」と願う。

 農山漁村文化協会刊。AB判オールカラー32ページ。各巻1944円、4巻セット7776円。

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