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8月の研修会では全国から男性養護教諭が集まり、事例を研究した=兵庫大
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8月の研修会では全国から男性養護教諭が集まり、事例を研究した=兵庫大
夏休みに部活動で登校した生徒と会話し、健康状態を確認する養護教諭の梅田裕之さん(左から3人目)=加古川市別府町新野辺
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夏休みに部活動で登校した生徒と会話し、健康状態を確認する養護教諭の梅田裕之さん(左から3人目)=加古川市別府町新野辺

 幼稚園や小・中・高校の保健室で子どもの心身をケアする養護教諭は、女性が圧倒的多数を占める。戦前の「学校看護婦」を継承し、女子に触れる業務があるため、女性の職業と考えられてきたためだ。そんな中、少数派の男性らが「男性養護教諭友の会」を結成し、男女が協力した保健業務の在り方を探っている。(津谷治英)

 同会は、1970~90年代の男性養護教諭を10人前後と推定。近年は徐々に増加し、文部科学省の2016年度学校基本調査では、全国の学校園に養護助教諭を含む65人が勤務。2人以上を配置する大規模校が多く、女性と組んで保健室を運営する。

 都道府県別でみると、大阪の9人が最多で、東京7人、北海道と三重の6人と続く。全体に占める割合はわずか0・1%。友の会の事務局を務める名古屋市の養護教諭市川恭平さん(31)は「一人もいない県が約半数ある」と指摘する。

 養護教諭は1947年の学校教育法で規定され、けがや急病の処置、健康診断などを担う。性別条件はないが、女子の内科検診や生理への対応があり、男性には困難と考えられてきた。

 男性が一握りしかいない現状から、資格取得や採用試験をあきらめる学生もいる。兵庫県教育委員会によると、ここ6年の採用試験で養護教員を受験した男性は4~7人と、全体の1%前後にとどまる。

 一方で、90年代から不登校の児童・生徒の「保健室登校」が増え、心のケアも求められるように。男子の性の悩みに女性が対応しにくい場面もあり、男性の必要性は高まっている。

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 同会は2010年に現役の男性ら3人で発足。対応困難な事例を発表し、解決方法を議論している。8月には加古川市の兵庫大で研修会を開き、養護教諭や大学生ら85人が参加。女性が7割を占め、男女連携への関心の高さもうかがえた。

 北海道浜中町の茶内小の養護教諭望月昇平さん(25)が報告。同校は男性だけの単数配置だ。北海道は02年から男性を採用するが、大規模校が少なく、6人全員が単数配置されている。

 望月さんは、女子のケアは担任の女性らに依頼していると紹介。内科検診では女子児童に会場設営を手伝ってもらい、中が見えず、直接身体に触れないことを確認してもらっているという。「宿泊を伴う行事の前に、女性教諭が女子に生理指導をし、私は男子に精通などの性教育をした。男性の方が適切な場面はある」と説明した。

 養護教諭を目指す兵庫大3年の男子学生(21)は「男子には難しい仕事と不安だったが、現役の話は参考になった」。男性と協力して保健室を運営した経験がある明石市立大観小の美濃(みのう)優さん(31)は「助けてもらったことは多い。男性が増えることで、保健室のケアも幅広くなるのでは」と期待していた。

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「男女ペアの配置が理想」/兵庫唯一の男性養護教諭・梅田さん

 兵庫県唯一の男性養護教諭、梅田裕之さん(35)は、加古川市立浜の宮中に勤務。複数配置校で、女性の同僚と協力し業務をこなす。

 夏休みのある日、男女の生徒数人が保健室を訪れた。「練習は順調か」「暑いから汗だらけや」。部活動の会話が弾んだ。「用事がなくても気楽に来てほしい」と梅田さん。入り口近くに大きなテーブルを置き、生徒らと向き合う。

 臨時の不登校指導補助員を務めた経験があり、精神的な要因で体調を崩す児童・生徒に何人も出会った。

 今の学校でも、ある男子が体調不良からほぼ毎日来るようになった。部活動や勉強、人間関係に悩んでいたが、何から話していいか分からず困惑していた。課題を整理し、解決しやすい順に助言すると、少しずつ学校生活に慣れていった。

 「腹痛を訴えたら、心の底に何か隠れていないかを見ます」。女子生徒が恋愛相談に来ることも多い。大人の男性だから本音で話しやすいこともある。「男性と女性の2人がいれば、相談の選択肢は広がる。思春期の危機に対応するには理想的です」と話した。

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