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3年生の道徳の研究授業。担任が児童の意見を引き出しながら授業を進める=神戸市立東灘小学校
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3年生の道徳の研究授業。担任が児童の意見を引き出しながら授業を進める=神戸市立東灘小学校

 学習指導要領の改定で、2018年度から小学校、19年度から中学校に導入される「特別の教科道徳」。11年に起きた大津市のいじめ問題などを機に、従来の読み物中心の授業から、「考え、議論する道徳」へと大きくかじを切り、児童や生徒への評価も始まる。小学校の導入まで半年を切ったが、兵庫県内の教員からは「内面の成長に気付き、評価できるのか」「どんな授業をすればいいのか」など不安の声は根強い。(井上 駿)

 「弱虫ってどんな人?」「強いって?」。3年生の児童が次々と手を挙げ、自分の考えを述べる。新しい検定教科書の教材を使い、神戸市が重点推進校に指定する東灘小学校で24日にあった授業参観。担任が児童の意見を引き出し、何度も問い返す形で授業が進む。

 市教育委員会によると、従来の授業は教材を読み込み、登場人物の気持ちを理解する点を重視。だが「いじめは許されない」など結論を示すだけにとどまり、道徳的課題を自身のこととして多面的、多角的に捉える観点が不十分だったという。

 教科化には不安の声も少なくない。「求められるのは答えを出すのではなく、考えを深めさせる授業。本当にできるのか」と阪神間の中学教諭の男性は打ち明ける。「読み物の授業は国語のようで楽だった。価値観の押し付けにならないか」と懸念する。

 教科化とともに採用される「評価」。数値ではなく、記述式で児童や生徒の成長を促す観点での導入が決まっているが、授業内の発言や感想文を基に個人の成長を測ることには疑問を抱く教員が多い。

 東播地域の小学教諭(59)は「子どもたちの自由な成長に支障が出るのでは」と懸念し、「先生の顔色を見る児童が増えるのでは」とする。一方、「教員が児童や生徒の成長を見る力が培われる」などの肯定的な意見もある。

 教科化に伴い、検定教科書が使われるが、17年3月の検定では、読み物教材に登場した「パン屋」が「和菓子屋」に変更され議論を呼んだ。教科書採択を巡り、特定の教科書への採択反対を訴える要望書などが届いた県外の自治体もある。姫路市の中学教諭は「道徳教育の重視は安倍政権の教育改革の一環。愛国心を醸成するものと捉えられがちだ」と気をもむ。

 県教育委員会は道徳教育実践推進協議会をつくり、各地で研修や研究授業を開く。担当者は「授業づくりや評価など課題は多いが、円滑に移行できるよう準備を整えたい」と話す。

 【特別の教科道徳】 教科外の活動である道徳が2018年度から小学校で、19年度から中学校で教科に格上げされる。授業数は週1時間。検定教科書を利用し、数値ではなく、記述式の評価を導入する。文部科学省は特定の考えを押し付けたり、成績を入試には利用したりしない方針を示している。

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