教育

教育ニュース
  • 印刷
支援のポイントについてワークショップ形式で話し合う参加者ら=堺市、大阪府立大
拡大
支援のポイントについてワークショップ形式で話し合う参加者ら=堺市、大阪府立大

 いじめや不登校など、子どもをめぐる問題が複雑化する中、福祉の専門家として学校と連携するスクールソーシャルワーカー(SSW)を導入する自治体が増えている。児童生徒の特性や家庭の貧困、虐待といった背景にある要因を探り、親や教師を支えながら問題の解決を目指す。配置が進む一方で「現場で活用しきれていない」との課題もあり、効果的な活用に向けた取り組みに注目が集まる。(石沢菜々子)

 SSWは社会福祉士や精神保健福祉士らで、主に教育委員会や地域の拠点となる学校に配置される。担当の学校を巡回し、ケース会議などを通じて、生徒指導の教員や養護教諭、心理面で支えるスクールカウンセラーらと連携する。家庭の様子を知るために教員と家庭訪問をすることも。学校側からは「教師だけの場合よりも保護者に話を聞いてもらいやすい」との評価の声が聞かれる。

 各地で活用が進み、兵庫県教育委員会は教育事務所の9人に加え、2016年度から政令指定都市、中核市を除く市町を対象に、補助事業を始めた。16年度は拠点校に55人、17年度は96人と倍近くに増えた。神戸市教育委員会も事務局の1人以外に、16年度3校だった拠点校を17年度は6校に拡大。学校からの相談件数も倍増のペースという。

 求められる役割は、学校側へのアドバイスにとどまらない。例えば、子どもに発達面で気になる点がある場合、特別支援学級など本人が過ごしやすい環境を考え、必要に応じて医療機関と連携する。家庭の経済的困窮から児童の生活が乱れているケースでは、生活保護の申請や親の就職支援といった行政の窓口につなぐことも検討する。

 尼崎市では、2009年に制定された市の「子どもの育ち支援条例」に基づくワーカー6人が小中学校で活動する。ワーカーは教育委員会ではなく保健福祉部門に配置されており、担当者は「保健福祉の関係機関と連携しやすいメリットがある」としている。

   ■    ■

 SSWを効果的に活用するための取り組みも進む。

 1月末に堺市の大阪府立大で開かれた研修会には、全国の教育委員会関係者やSSWら約40人が参加。学校から相談を受けたSSWがどう対応すべきか、ワークショップ形式で考えた。

 事例の設定は、小学3年男児の欠席が目立つようになり、母親から学校へのクレームが絶えない-との内容。支援に向け確認すべき事項をグループで話し合い、何から優先的に取り組むかを決めた。

 こうした手法には、意見を出し合うことで新たな視点に気付くなど、支援の質を高める狙いがあるという。大阪府や尼崎市などのSSW事業に協力する同大の山野則子教授(児童福祉)は「教育委員会の担当者とSSWが連携し、支援内容の振り返りをしている自治体では、特に効果が出ている」と指摘する。

 研修会に参加したSSWの女性(57)=兵庫県在住=は「学校も私たちも手探りの状態。先生たちが多忙で、そろって話し合うのが難しいという問題もある。子どもを中心にした関係機関の連携を深めていきたい」と話していた。

教育の最新

天気(5月22日)

  • 26℃
  • ---℃
  • 10%

  • 30℃
  • ---℃
  • 10%

  • 29℃
  • ---℃
  • 0%

  • 28℃
  • ---℃
  • 0%

お知らせ