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「夜間中学の果たしてきた役割はとても大きい」と語る前川喜平さん=神戸市中央区
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「夜間中学の果たしてきた役割はとても大きい」と語る前川喜平さん=神戸市中央区

 貧困や差別のため学校に通えなかった人や仕事を求めて来日した外国人のほか、近年は不登校の若者らにも門戸を開く夜間中学を兵庫県全域に広げようと、神戸市内で集会が開かれた。前文部科学事務次官の前川喜平さん(63)が講演し、「夜間中学は義務教育の最後のセーフティーネット。不登校経験者らの入学希望はさらに増えるだろう」と必要性を強調した。(新開真理)

 夜間中学は全国8都府県に計31校設置され、県内には神戸、尼崎市に計3校ある。集会は、夜間中学やフリースクール開設などを自治体に求めた「義務教育機会確保法」の成立をきっかけに、県内でも機運を高めようと、神戸市の夜間中学で長く教員を務めた有志が企画した。

 同法制定に関わり、現在は福島市と神奈川県厚木市で民間の夜間中学を手伝う前川さんは「先生方の粘り強い働き掛けが政治を動かした。今や国も自治体も増設の要望を門前払いはできない」と切り出した。さらに「兵庫は(規模が)大きく、義務教育が未修了の人、学びの場を求めている人は必ずいる。県立夜間中学の開設が真剣に考えられるべきだ」と強調した。

 また、形式的に中学を卒業した不登校の人が希望すれば夜間中学に受け入れるよう文科省が方針を示し、希望者の増加が見込まれることや、本年度から都道府県による設置に国庫負担金の拠出が可能になったことにも触れた。所在地周辺の人も通えるよう近隣自治体が生徒数に応じ費用を負担している奈良県の事例や、複数市町による共同開設といった手法も紹介した。

■夢の扉の鍵

 集会では生徒らが、学ぶことで人生の可能性が広がった喜びを語った。不登校を経験した女性(31)は、発達障害児の通所施設を運営する中で学びたいとの思いを深め、成良中学校琴城分校(尼崎市)へ。「多くの苦労をしてきた仲間と過ごし、生きることがこんなに楽しいのかと思うようになった。20代でも80代でも、学びたい気持ちがあれば新しい人生が始まる。一人でも多くの人が夜間中学に出合ってほしい」と話し、大きな拍手が送られた。

 フィリピン出身で、5人の子を育てながら丸山中学校西野分校(神戸市)を卒業した女性(40)は「学校に通ってから子どもの宿題を助けられるようになった。孤立していた心が(社会と)つながり、夢の扉の鍵をもらった。学校で学べない人をなくしてほしい」と訴えた。

 「字が書けずに役所で怒られて、本当につらかった」と語った女性(83)は、夜間中学の話を聞いて、必死で探し出した同分校へ。「初めて勉強する楽しさを知った。小さな私の人生に、大きな大きな幸せを得た」と結んだ。

■丹波、播磨にも

 関係者は、同法の成立を夜間中学新設につなげようと意気込む。篠山市で民間の夜間中学を開く松原薫さんは、読み書きができないため車の免許が取れず、遠方の職場に自転車で通う人がいることを紹介。「丹波地域にも公立の夜間中学を」と訴えた。播磨地域を調査した桜井克典さんは、2010年の国勢調査を基に「姫路市や加古川市などに義務教育を終えていない人は少なくとも計千人以上いる」と述べ、潜在的なニーズの大きさを示した。

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