教育

教育ニュース
  • 印刷
啓明学院での学校改革を振り返る尾崎八郎相談役=神戸市須磨区横尾9、啓明学院中学校・高校
拡大
啓明学院での学校改革を振り返る尾崎八郎相談役=神戸市須磨区横尾9、啓明学院中学校・高校

 少子化などの影響で私立学校の定員割れが相次いでいる。私学教育の最前線に立ち続け、改革の推進で知られる学校法人啓明学院相談役で、兵庫県私立中学校高等学校連合会の前副理事長尾崎八郎さん(77)に、これまでを振り返ってもらい、現状や今後の展望などについて聞いた。(井上 駿)

 -2001年、関西学院高中部長から、啓明女学院中学校・高校(当時)の校長に就いた。

 「当時は生徒集めに苦戦しており、定員割れもあった。難関大進学より、専門学校や就職を選ぶ生徒が多く、教育のレベルアップが求められた」

 -02年に共学化、啓明学院中学校・高校と名前を改め、姉妹校だった関西学院と系列校の提携を結んだ。

 「同じ建学の精神を持つ関西学院の教育を広めていくのが狙い。啓明の生徒は、推薦で関西学院大に進学できるようになった。入学時の生徒の偏差値を他校と競っても意味がない。生徒に何を学んでもらうか、学校改革に注力できた」

 -どのような改革に取り組んだのか。

 「読書教育、人間教育、保健体育教育、芸術教育、英語教育が5本の柱。まず、土曜講座から始めた。外国語や芸術、理数など幅広い分野の専門家を外部講師として招き、生徒の興味の幅を広げ、授業を見る目を養ってもらう。『あんな授業をもっと受けたい』という声が上がり、教師陣も授業改革に取り組んだ。効果は大きかった」

 -ほかに具体的には。

 「人間教育ではキリスト教教育のほか、キャンプ活動を重視。無人島でのキャンプでチームワークやリーダーシップを学ぶ。人は人にもまれて人になる」

 「英語力の目安を英検2級とし、生徒に取得させている。大学の学問への入り口に立つ最低限のハードル。英語合宿もやるし、生徒に海外留学も勧めている。グローバル社会を見据え、語学に加え、インターネットを使いこなすIT技能の習得も必須だ」

 -特色づくりの結果、人気校になった。生徒集めに苦しむ私学も多い。現状をどう見る。

 「少子化の中で学校間競争が起き、進学実績に傾倒してしまった結果、中等教育としての“人間形成”がおろそかになっている。生徒が大学に合格しても、そこで立ち止まってしまい、専門的な高等教育につながらない。その失敗に関係者は気付き始めている」

 「先見性があり、建学の精神があり、挑戦的な教育を実践できるのが私学の特色。原点回帰こそ必要だ」

 -私学教育の展望は。

 「『選ばれる学校』になること。特色化を進めて夢のある教育を語り続け、学校の求心力を高めていくことが必要だ。中等教育機関としての役割を再確認すべきだ。一方で、私学は公立の倍以上の学費が必要になる。私学助成は喫緊の課題でもあり、充実を訴えていかなければならない」

【おざき・はちろう】1941年生まれ。関西学院大大学院中退。64年から関西学院中学部教諭(社会科)。95年同高中部長。2001年に啓明女学院中学校・高校校長に就任。10年から啓明学院理事長を務め、18年春に退任。18年春まで兵庫県私立中学校高等学校連合会副理事長。西宮市教育委員長なども務めた。

教育の最新

天気(12月16日)

  • 12℃
  • ---℃
  • 80%

  • 12℃
  • ---℃
  • 80%

  • 12℃
  • ---℃
  • 90%

  • 11℃
  • ---℃
  • 90%

お知らせ