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都会から離れ、自然豊かな山村にある生野学園の校舎=朝来市生野町
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都会から離れ、自然豊かな山村にある生野学園の校舎=朝来市生野町
創立30周年記念の座談会で不登校との歩みを語る宇都宮誠学園長(左から2人目)と森下一さん(同3人目)
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創立30周年記念の座談会で不登校との歩みを語る宇都宮誠学園長(左から2人目)と森下一さん(同3人目)

 私立生野学園高校(兵庫県朝来市生野町)が創立30周年を迎えた。小・中学校で不登校を経験した生徒を受け入れてきた同校は現在、付属中学も併設。いじめや人間関係、受験で疲れた思春期の心のケアを基本に、これまで約800人の卒業生を送り出した。このほど開かれた記念式で宇都宮誠学園長(61)は「生きるとは何か、生徒や親とともに問い続けてきた。これからも一緒に考えていきたい」と誓った。(津谷治英)

 1989年、姫路市で開業する精神科医・森下一さん(77)の呼びかけで但馬・生野の山村に開校。野外活動を通じて五感を磨いてほしいとの狙いから、自然豊かな地を選んだ。中高合わせ約90人の生徒が通常の授業のほか、農作業や森の探検、近くの小川での魚つかみなどを経験しながら暮らす。

 全寮制で教職員が当直を勤め、24時間態勢で心のケアに当たる。授業の合間、食事や入浴時間、寮の自室など、生徒が話したい時にいつでも対応。深夜に始まったカウンセリングが明け方まで続くこともある。

 OBは、学園で芸術に出合い国内外で活躍する美術家から、大学進学を経て就職した人、自営業など多彩。姫路出身の竹原雅紀さん(27)は幼稚園のころからいじめを受け、小・中学校で不登校に。誰にも相談できず、長期間孤立した後に入学した。「同じいじめで悩んでいる仲間とたくさん出会えた。自分は1人じゃないと思えるようになり、心強かった」と振り返る。高校で演劇に興味を持ち、俳優を目指して上京。今は飲食店で働く。卒業後も母校を訪ね、将来のことを相談する。「学園のスタッフは僕を否定しない。だから安心できる」。

 2カ月に1回程度、親の会も開く。保護者は学園に宿泊して深夜まで語り合う。宍粟市の嶋津勝さん(58)は長男の卒業後も学園の行事に顔を見せる。「最初は参加するのがおっくうだった。何度か通ううち、親同士も深い絆で結ばれていった。ここでは、利益優先の社会で身に付いたアカを落とせる」と話す。

 2002年に付属中学を開校してからは、6年間を過ごす生徒もいる。宇都宮学園長は「一緒に泣き、恥をかき、立ち止まって悩みながら本来の自分を探す。これからもそんな物語に伴走していきたい」。

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