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地元企業の経営者らに話を聞く生徒(右)=県立尼崎高校
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地元企業の経営者らに話を聞く生徒(右)=県立尼崎高校
発表は演劇のように工夫を凝らした演出で会場を沸かせた=百合学院中学・高校
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発表は演劇のように工夫を凝らした演出で会場を沸かせた=百合学院中学・高校

 教師が一方的に教壇から知識を話すだけの詰め込み教育は、今は昔。なぜ勉強するのか、自分には何ができるのか-。文部科学省は学習指導要領の改定や大学入試改革を進め、より「主体的、対話的で深い学び」を基に、答えのない問いに向かって対応できる人材教育へと大きくかじを切る。そうした流れに兵庫県内の高校でも、社会との接点を持って視野を広げようというカリキュラムが実践されている。(鈴木久仁子)

◇企業からの課題にアイデア提案

 百合学院高校(尼崎市)は、特進コースの2年時に、学校支援事業などを手掛ける「教育と探求社」(東京)のプログラム「クエストエデュケーション」を導入しており、このほど校内で成果の発表会を開いた。

 同プログラムは実在する企業からの課題に挑戦する「企業探究コース」や、社会で活躍する先人を研究する「進路探究コース」、新商品の企画を生み出す「起業家コース」など多彩なメニューをそろえる。生徒は自らテーマを選び、徹底的に調べて思考を深め、まとめて発表。既に全国135校以上が取り入れているといい、成果を競う全国大会も開催されている。

 発表会には校内の9チームが登場。クレジットカード会社からの課題「新サービスを提案せよ」に取り組んだチームは、カードに健康保険証を付けるという斬新なアイデアを考案した。カード会社と提携する病院で健診を受け、結果が良ければポイントがたまる仕組み。カードの利用拡大が見込める上、病気の予防にもつながる。教育と探求社の宮地勘司社長ら審査員から「ありそうでなかったアイデア」と高い評価を得た。

 また、「未来事業を提案せよ」という旅行会社からの課題には、「7大陸を体験できる大型イベントスペース」が発表された。宿泊体験ができたり、海外の文化に触れられたり、魅力的な内容が支持を集めた。

 指導する吉川晶子教諭は「自ら調べ、本当に必要なのかと自問自答し、根気強く試行錯誤を繰り返す。見違えるほど成長していく」と指摘する。

◇社会問題に解決策編み出す

 一方、啓明学院中学・高校(神戸市須磨区)は、社会が抱える問題を人ごとにしない精神を養ってほしいと、「ビジネスプランコンテスト」を校内で実施。社会に潜む課題を自ら見つけ、解決策を編み出し、利益が出るプランを考える。全校生徒が毎年、夏休み前から取り組み、各クラスでの選考を経て12月の最終審査を目指す。

 昨年12月のコンテストでは、訪日外国人客が災害に遭っても孤立せず、安全に観光を続けられるプランが高校部門の最優秀賞となった。スマートフォンのアプリで外国人とボランティアをつなぐという仕組みで、クーポンを使って参加を促したり、観光・商業施設などにスポンサーになってもらったりと資金面にも気を配った。

 また、プラスチックごみの削減のため、自動販売機をドリンクバーの形にして、マイボトルに好きな飲み物を入れるというアイデアも高評価だった。

 同校は「社会問題に対して生徒なりに何ができるかを考え、持続可能なプランには、確かな基礎知識と技術が必要だと気付くことが大切だ」と意義を語る。

◇地元団体とともに街づくり担う

 「尼崎学」と銘打ち、独自の授業を展開するのは県立尼崎高校(尼崎市)。授業を選択した生徒は学校を飛び出して、高齢化や子育てなど地元の抱える課題に向き合い、活動団体と企画を立案したり、留学生と交流したりする。

 昨年12月には、生徒が同市内の中小企業6社の経営者らを学校に招き、交流した。経営者らは各ブースで会社の説明だけでなく、「働くのは楽しいですか」「辞めたくなったことはないですか」といった高校生の純粋な疑問に、先輩社会人として真摯(しんし)に回答。各社との事前交渉や当日の企画進行も、全て生徒が担った。

 同校は「親や先生とは違う大人のモデルに触れ、将来に希望を持ってほしい。相手に褒めてもらうことも大きな励みになる」とし、今後も積極的に尼崎のまちに送り出す予定だ。

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