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研究会が開いたワークショップで創作に取り組む子どもたち=昨年12月、神戸市中央区小野浜町
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研究会が開いたワークショップで創作に取り組む子どもたち=昨年12月、神戸市中央区小野浜町

 神戸市内にある企業や民間団体、学校などの知恵を集め、神戸ならではの魅力的な学びを提案しようと、同市が設置した「こどもの創造的学びに関する研究会」が検討を重ねている。これからの時代に必要な能力とは? そもそも「創造性」って? 大人自身が立場や分野の違いも、組織の壁も、頭の固さも乗り越え、新しい学びの形を提案できるのか。「研究会自体がチャレンジ」という取り組みを取材した。(広畑千春)

 「これで縫えないかな…」と女児が手にしたのは細い針金。その先を折って輪を作り、毛糸を通して「針」の代わりにすると言う。古い布に突き刺すが、輪の部分が太くて引っ掛かってしまう。輪を小さくしようと、ペンチでつぶしたり、何度もひねったりと試行錯誤を重ねる。

 昨年12月、同市中央区のデザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)で、研究会が実験的に開いたワークショップの一場面だ。5日間で小中学生計140人が参加し、廃材や最先端の機材を使って自由に創作した。

 このワークショップで研究会メンバーが最も苦労したのは「大人が口を出さないようにすること」だったという。元コープこうべ執行役員で、日本生活協同組合連合会の本木時久さん(53)は「子どもの発想は自由で、学ぶところだらけ」とし、「つい自分の経験則でアドバイスしたくなるけれど、失敗も大事。ぐっと我慢です」と苦笑した。

      ◇

 同研究会は、人工知能(AI)のように科学技術が著しい進歩を遂げる中、神戸から次代を開く人材を-と、市内で子どもに携わる活動をする企業や団体、大学、市役所から26人が集まり、昨年7月に発足した。基になったのは2017年度、市の若手、中堅職員が部局の枠を超えて政策研究に取り組んだ「国際戦略政策形成・人材育成プログラム事業(グローバルチャレンジプログラム)」だった。

 現在の学校現場では、「脱ゆとり教育」で授業時間数が増加。若い教師が多くなり、指導技術の向上が求められる一方、小学校での英語やプログラミングの必修化も迫る。長時間勤務の是正も急務で、市内の小学校教諭は「(創造的な教育の実践は)必要でやりたいとは思うが授業準備や生活指導で手いっぱい」とこぼす。

 研究会ではまず、学校での子どもの様子や教師らが感じている課題を聞きながら、企業や団体なども主体になる取り組みを目指す。目標は「学校」の内と外という境目をなくし、互いに影響し合う関係や仕組みづくりだ。

 同市総合教育センターの山下准史(じゅんじ)所長は「例えば、地域にある最先端技術や『本物』に触れられれば、子どもも教師も未来が見え、その先を考えられる。ウィンウィン(相互利益)の関係になれるはずだ」と話す。

 さらに見据えるのは、子育て世代へのアピールだ。「神戸なら、地域で活動する先進的で独創的な人や企業、学校が子どもの成長に関わってくれて、他にない面白いことが学べる-という風土をつくりたい。それは将来的に『神戸で子どもを育てたい』という魅力にもなる」と座長の谷口眞澄・市企画調整局長。

 議論を基に2019~20年度にロードマップを作成し、25年度ごろまでに国内外で先駆けとなる「神戸モデル」を確立したいとしている。

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