関西国際大(兵庫県三木市)などを運営する学校法人濱名学院(同県尼崎市)は22日、神戸山手大と女子中学・高校などを運営する学校法人神戸山手学園(神戸市中央区)を、2020年4月に統合すると発表した。少子化が進む中、文部科学省は大学の統合・再編のための手続きを簡素化した新制度を創設する予定で、その適用第1号となる見通し。現代社会学部のみの単科大学の神戸山手大が、関西国際大に学部譲渡する形で両大学の統合が可能になる。
濱名学院の濱名篤理事長と、神戸山手学園の楠見清理事長が同日、神戸市内で法人合併の契約書に調印した。
合併後の法人名は「濱名山手学院」で、濱名氏が理事長に就く。神戸山手大は、関西国際大の神戸山手キャンパスとなる。神戸山手女子中学・高校は名称を変えず、濱名山手学院の経営で存続。募集停止中だった神戸山手短期大は、3月末での廃止が既に決まっている。
神戸山手学園は、中学校で定員の5分の1に満たない苦しい経営状況で、両法人は18年2月から中高の協力について話し合いを始めたが、文科省との三者協議の中で、大学統合を含めた法人合併にまとまったという。現代社会学部を加えた関西国際大は、20年4月に計6学部(学生数約3千人)となり、21年に再び学部の改編を予定している。
濱名山手学院は、認定こども園・幼稚園▽中学・高校▽専門学校▽大学・大学院-を運営する学校法人となり、全てを合わせた定員は約4500人に上る。会見で濱名理事長は「地域に根ざした運営を心掛ける。中高は女子校のままで、国際交流や発展的な学びに取り組みたい」と述べた。
神戸山手学園は1924年、地域の寄付によって誕生した「山手学習院」がルーツ。楠見理事長は「合併は苦渋の決断。現在の山手の地で学校を維持、発展させることが、最大の使命だ」と話した。
(井上 駿)
