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娘を抱き、息子の手を引いて保育所へ向かう母親=神戸市須磨区
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娘を抱き、息子の手を引いて保育所へ向かう母親=神戸市須磨区

 10月に始まる国の幼児教育・保育の無償化が、保育所の待機児童数増加に拍車を掛ける-。こんな不安が子育て世代を中心に広がっている。2016年9月から第2子以降の保育料を無償化した兵庫県明石市では、子育て支援策が保育のさらなる需要を喚起する格好となり、18年度の待機児童数が制度導入前から倍増した。国の無償化で保育需要はどれくらい増えるのか。各自治体も読み切れないでいる。(貝原加奈、太中麻美)

 「だまされた気分」

 憤りが収まらないのは、明石市に住む看護師の女性。専業主婦だった17年、市の無償化施策を知って「働いた方が得やん」と、再就職に踏み切った。就職先はすぐに決まったが、1歳だった次女の保育所選考に2年連続の落選。待機児童となり、仕方なく月約2万円で託児所に預けてきた。

 今春ようやく保育所に入れるものの、自宅から車で10分もかかる「第7希望」。勤務先は車で20分、渋滞すると1時間かかる。近い施設を希望したが、かなわなかった。子どもの心配をせずに働けるようにと、女性は自宅近くの病院へ転職を決めた。無償化しても希望の保育所に入れなければ意味がない-。納得できない思いはいまだ消えない。

 明石市の待機児童数は18年4月時点で571人。無償化前の16年同月比で約1・9倍に膨らんだ。施策が、女性の就職を後押しし、保育所に入るハードルは一気に上がった。

 「無償化すると、保育所が本当に必要な人に回ってこない」と、神戸市須磨区で2児を育てる女性(41)。昨秋に離婚し、働くために2歳の娘の保育所入所を申し込んだが、落選。認可外の保育施設が決まるまで不安な日々を送った。

 兵庫県全体で18年4月の待機児童数は1988人、5年前の約2・5倍になった。明石や西宮、神戸、姫路、尼崎市など都市部で多く、受け皿を増やそうにも用地確保などが難しい。10月の国の無償化で保育需要がどれくらい増えるか。県の担当者は「まだ分からない」とこぼす。

     ◆

 小学生になってからの学童保育でも、待機児童の問題は深刻だ。各自治体は定員増を目指して施設の確保に知恵を絞る。

 兵庫県内の待機児童851人のうち最多の403人(18年5月時点)が集中する尼崎市。「定員不足を少しでも埋めたい」(担当者)と、15年度から定員10人未満の小規模な民間施設の整備にも補助金を出す。

 同市内の「駅前保育所そのだえん」は、以前から卒園児の保護者からの要望があり、市の補助金を受けて学童保育の開設を決めた。

 代表の仲地史江さん(57)は「慣れ親しんだ場所で過ごせることに安心感がある、という保護者が多い」と話す。ただ、定員はわずか7人。「焼け石に水」の状況に、市担当者は「直ちに解消できる見込みはない。しかし、今後もこの方向性を継続するしかない」と複雑な表情を見せている。

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