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話した言葉が電子黒板に表示されるアプリと手話を使って授業を進める姫路聴覚特別支援学校の辻村堅治教諭=姫路市本町
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話した言葉が電子黒板に表示されるアプリと手話を使って授業を進める姫路聴覚特別支援学校の辻村堅治教諭=姫路市本町

 電子黒板やデジタル教材など情報通信技術(ICT)の積極活用で、兵庫県内の特別支援学校の授業が様変わりしている。聴覚障害のある生徒向けに、教員の言葉をタブレット端末や電子黒板に表示する専用アプリケーションを導入。弱視の生徒には、教科書の文字の大きさや字体を自由に変えられるデジタル教材を取り入れた。障害の有無に関係なく教育を受けられる環境が整いつつある。(井上 駿)

 「ここがよく間違えるポイント」。辻村堅治教諭の言葉を首に掛かったマイクが拾い、電子黒板に映画の字幕のように流す。県立姫路聴覚特別支援学校(姫路市本町)高等部の情報技術基礎の授業風景だ。

 ホワイドボードは教科書を投影したり、パソコンの画面を映したり、次々に切り替わる。高等部2年の男子生徒は「手話や口話では理解しにくい単語も、文字で確認できる。授業が分かりやすくなった」と話す。

 幼児から高校生までが通う同校は昨年度、電子黒板を約半数の普通教室に整備し、話し言葉を文字化するアプリ「UDトーク」を導入。電子黒板はほとんどの授業で使われる一方、同アプリは音声読み取りの精度に課題が残っている。

 上野仁史校長は「正しく変換できるのは8割程度。誤変換で授業が止まることもある」としつつ「手話で表現しにくい言葉のやりとりが円滑化し、コミュニケーションの幅が広がった」と評価する。

 視覚障害がある児童・生徒が通う神戸市立盲学校では2017年秋、高等部の生徒向けにタブレット端末を配備し、閲覧アプリ「UDブラウザ」を導入。教科書のPDFデータを拡大したり、見やすい字体や色に変えたりしている。

 従来は、分厚い拡大教科書や、本を画面に大きく映し出す拡大読書器を使っていたが、同アプリ導入で手持ちのタブレット端末を使う授業が浸透。同校2年の男子生徒は「重い教科書を持ち帰ったり、読書器を操作したりする手間が大幅に減った」と喜ぶ。

 文部科学省の統計では、17年度の教育用コンピューター1台当たりの児童・生徒数(タブレット端末を含む)は、兵庫県内公立学校全体の6・3人に対し、特別支援学校では2・8人と普及率はほぼ2倍。県立特別支援学校の高等部ではほぼ1人に1台整備されているという。県教育委員会の担当者は「学習に困難がある児童生徒にとって、ICTは大きな力になる。さらなる活用に向け、研究を進めたい」としている。

【中野泰志慶応大教授(障害児教育)の話】 障害のある児童生徒の学びをサポートするには従来は専門の機器が必要だったが、家庭にあるタブレット端末などで利用できるアプリやデータが増えつつある。活用が進めば、障害の有無に関係なく授業を受けられる「インクルーシブ教育」の推進につながる。無線LANの整備など、個人の端末を持ち込んで活用できる環境の確保が必要になる。

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