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雨の中、通学路を歩く児童ら=神戸市内
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雨の中、通学路を歩く児童ら=神戸市内

 気象災害の激甚化を受け、兵庫県教育委員会は今年、学校防災マニュアルを大幅に改訂した。以前は在校中に大雨などの警報が出た場合は「児童生徒をすみやかに下校させる」としていた記述を削除した。雨風の中で下校する危険を避け、学校で授業を続けながら待機できる一方、より状況に即した判断が学校に求められている。(中島摩子)

 小中高、特別支援学校の学校防災マニュアルの改訂は2006年、13年に続き3回目。防災の専門家や学校関係者ら11人でつくる改訂委員会(委員長=前林清和・神戸学院大教授)が検討を重ねた。

 13年版では、在校時に大雨、洪水、暴風警報のいずれかが発令された際は「すみやかに下校」とし、留意点として、下校が危険と判断した場合は学校で待機させ、保護者に迎えにきてもらう、などを示していた。

 その後、18年の台風21号や西日本豪雨など、県内外で甚大な風水害が繰り返され、今回の改訂委員会では「下校させることで危険があってはいけない」という意見が強かったという。

 新しいマニュアルでは、第一に「今後の雨量予測を確認するとともに、通学路の安全確認を行い、集団下校または(保護者への)引き渡しを行う」と記述し、「すみやかに下校」が消えた。さらに、通学路の排水溝などから水があふれる(可能性も含む)▽土砂災害警戒情報が発表▽警戒レベル4(避難指示、避難勧告)以上-などの場合は、学校に待機させるとした。

 一方で、警報が出ていなくても、在校時に「台風の接近が予想され、急激に天候が変化する可能性がある場合、安全なうちに集団下校か引き渡しを行う」などとも記述した。翌日の登校時や登校後に危険が予想される場合は「前日に臨時休業や始業時刻を遅らせるなどの判断」も呼び掛けた。

 県教委教育企画課によると、以前のマニュアルでは、気象災害への対応は1ページだったが、改訂で6ページに増えた。マニュアルは、県教委のホームページに掲載し、各校に通知。教職員研修も予定しているという。

 なお、神戸市立の小中学校などは県教委マニュアルの対象外で、各校に判断が委ねられている。

■学童保育 家庭と学校、事前協議を

 警報発令で小学校の児童が通常よりも早く下校する場合、共働き家庭などでは、迎えや受け入れのために仕事を切り上げるなどの対応も求められる。学校防災マニュアルの改訂により、警報が出ても児童を学校に待機させる対応が増える見込みだが、学童保育が休みになった場合、利用児童を学校に残すか家に帰すかなどの判断は学校によって異なる。

 6月30日、神戸、芦屋、西宮市では授業中に大雨警報が発令された。西宮市立樋ノ口小は授業終了後、児童を下校させた。休みになった学童保育の児童も帰らせたところ、保護者不在で家に入れず、学校に戻ってきた子どもがいたという。

 その後、同校は学童保育を利用する保護者に学校待機か下校かを選んでもらった。再び児童在校中に警報が出た7月14日は混乱はなかったといい、同校は「各家庭で話し合ってもらったのが良かった」とする。

 同市立苦楽園小は7月14日、学童保育の児童も基本的に教師が引率して帰宅させた。ただ、保護者らから仕事のため「預かってほしい」という要望もあり、意向を調査した上で今後は40~50人を預かる予定だ。芦屋市立打出浜小では学童保育の利用に関係なく、全保護者に下校か待機かを年度当初に聞いているという。

 兵庫県立大大学院の室崎益輝(よしてる)教授(76)=防災計画学=は「学校も家庭の状況も違うため、唯一の答えがあるわけではない」としつつ「子どもの安全のために、学校と保護者が事前によく議論を」と話している。

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