修学旅行の新定番!人気は淡路、姫路 レジャー満喫、歴史学ぶ

2020/10/31 07:05

淡路島を巡る修学旅行でジェットボートを楽しむ生徒(唐櫃中学校提供)

 修学旅行先を兵庫県内に変更した教育委員会や学校に理由を尋ねたところ、阪神・淡路大震災の防災教育や身近な戦跡を巡る平和教育に加え、淡路島や姫路市のレジャー施設を利用した学校が多かった。感染症予防の観点から、行き先を地元に変更した兵庫県内の学校も増えている。 関連ニュース 山田錦のまちへ修学旅行、食文化に興味津々 茨城県の高校生が酒米試験地など見学 加東 「同世代が、幸せを考える機会になれば」引き揚げ者の語り部になった17歳 「心に種をまく」広島で修学旅行生と向き合う児童文学作家【語り継ぐ-戦争を知らなくても】 変わる修学旅行「学びや体験」重視に 探究、SDGs…燃料高や宿泊費高騰の影響も<ローカル+α>

 奈良県の王寺北小学校は広島から行き先を変更し、来月4、5日に姫路セントラルパーク(姫路市)と北淡震災記念公園(淡路市)を訪れる。バスなら片道3時間以内で着き、阪神・淡路大震災の語り部から経験を直接聞けることが決め手だったという。
 大阪府教育委員会の担当者は「定番の広島はバスでは遠いので、岡山や姫路までに限定する傾向がある」とする。旧日本海軍の飛行場だった加西市の鶉野(うずらの)飛行場跡でも、9月に初めて同府松原市の中学校が修学旅行で利用しており、平和学習を目的に近畿圏からの利用が相次いでいるという。
 神戸市教委は、今年に限って行き先をおおむね300キロ圏内とし、移動は貸し切りバスを基本にするよう中学校に通知。その結果、13校が県内に変更した。
 同市立唐櫃中学校(北区)は10月上旬、淡路島でマリンスポーツなどを楽しんだ後、1泊2日の行程で香川県や徳島県も訪問した。
 尼崎市立武庫庄小学校は日帰りで姫路城と姫路セントラルパークへ。横山智恵子校長(54)によると、勉強もさせたい教員の思いと「遊園地に行きたい」という子どもの希望をかなえた結果という。昨年までは三重県が定番だったといい、横山校長は「これまでは前例を踏襲していたが、見直す機会になった」と話す。
 一方、受け入れ先もこの機を逃すまいと必死だ。
 姫路城管理事務所によると、修学旅行生の来訪は「去年より明らかに増えている」。姫路市は現在、中高生向けに姫路の歴史や文化を学ぶ冊子を作成中で、市観光推進課は「来年以降も来てもらえるよう積極的に働き掛けたい」としている。(斉藤絵美、太中麻美、井上 駿)

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