新型コロナ禍の大学の姿考える 神戸市長と学長ら22人意見交換
2020/11/12 21:23
立命館アジア太平洋大の出口治明学長(左)らが参加したフォーラム=神戸市役所
新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえて大学の在り方を考えるフォーラムが12日、神戸市内に立地する大学、短期大学などの学長や久元喜造市長らが参加し、オンライン形式で開かれた。同市役所で立命館アジア太平洋大(大分県別府市)の出口治明学長(72)が講演。各大学の学長ら22人と東京出張中の久元市長が画面越しに意見交換した。
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フォーラムは大学などが持つ知的資源や学生の力を地域に生かそうと、2001年度から開かれている。
講演で、出口氏は千人以上の留学生が日本に入れず、2月から世界中にオンライン授業を展開したと説明。授業料減免を求める学生には、オンラインでも教員は準備に時間をかけていることや施設維持の必要性を説き、理解を求めたという。アルバイト収入を失った学生に対しては、卒業生や教職員のカンパに加え、市民からも支援があり「地域に助けられた」とした。
質疑では、神戸国際大の辻正次学長がオンライン授業を選択して大学で講義しなくなった教員にどう対応するかと質問。出口氏は「全く同じ悩みがある。大学評議会で決めても従わない先生もいる。教授会で丁寧に説明するしかない」と助言した。神戸学院大の佐藤雅美学長が、日本人学生が留学できなくなったことへの対応を問うと、出口氏は「時差が少ないアジアの大学とオンラインで交流しているが、限界がある」と打ち明けた。
また、複数の学長から神戸市に対して、産官学連携の拠点整備を求める声があった。久元市長は既に拠点はあるとしながら、「今のままでいいのか、見直しは必要かもしれない」と述べた。(初鹿野俊)
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