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 兵庫県内公立高校の学区が2015年度から再編され、現在の中学3年生から入試制度が大きく変わる。学区数は現行の16から5に変更され、一気に3分の1以下に減る。受験生を取り巻く現場では、何が起こっているのか。5回にわたって報告する。

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 ゴールデンウイークが明けた5月上旬。神戸市兵庫区の市立中学を、同市東灘区にある県立高校の校長が訪れた。

 「(南北の通学に比べ)東西の交通機関を使えば安くて便利。本校への通学は十分可能です」。学校案内を手にそう力説する姿には危機感が漂っていた。

 神戸市内は、神戸第一・芦屋▽神戸第二▽神戸第三-の3学区に分かれていたが、来春の公立高校普通科の学区再編で、淡路島なども含め第1学区として統合される。市内全域が新たに受験対象校になる。新学区の南東に位置するこの県立高校はJR線から遠く、私鉄の最寄り駅からも徒歩約20分かかる。

 「交通の利便性が悪い高校ほど、受験生離れを警戒している」と同中学の校長。旧学区内にある高校も例外ではなく、あいさつ回りではこれまでの教務担当者に加え、校長自ら中学校に足を運ぶケースが目立つという。

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 「来春からは高校からでも入学できるようになります」。明石市臨海部の市立中学には神戸市内にある私立の中高一貫校からこんな“売り込み”があった。「学区再編を機に、受験生を掘り起こそうとしている」と、同中学の関係者はみる。

 公立高校の学区再編で、公立を志願する生徒の選択肢は増える。一方で、中学側にとっては受験実績のない高校が対象になるため、進路指導は手探りの状態だ。同中学では例年、私立高校を併願する生徒は7割程度だが、「来年度は大幅に増えるだろう」と校長。「入試制度が激変し、保険をかける意味でも私立校の併願を勧めざるを得ない」という。

 こうした追い風を生かし、中学校へのアピールを強める私立校。西宮市のある市立中学には、大阪府も含め学校案内のポスターが相次いで届き、廊下にはすでに20枚以上が張られている。私立、公立ほぼ半数ずつだが、「今年は公立校も手の込んだデザインが目立つ」と進路担当教諭は言う。

 神戸市内の公立高校普通科は、例年11月に行ってきたオープンハイスクールを8月に前倒しして実施。本格的な志望校選びを前に、少しでも早く受験生にアピールする狙いだ。公立、私立が入り乱れるPR合戦は続く。

(紺野大樹、武藤邦生)

〈新学区の区割り〉

 現在の16学区から5学区に変更。選択できる公立高は従来、4~14校だったが、学区拡大により9~34校に増える。各学区に含まれる市町は次の通り。

第1=神戸、芦屋、洲本、南あわじ、淡路

第2=尼崎、西宮、伊丹、宝塚、川西、猪名川、三田、篠山、丹波

第3=明石、加古川、高砂、稲美、播磨、西脇、三木、小野、加西、加東、多可

第4=姫路、市川、福崎、神河、相生、赤穂、宍粟、たつの、太子、上郡、佐用

第5=豊岡、養父、朝来、香美、新温泉

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