ニュース
  • 印刷
拡大

 明石市立の全13中学校の進路指導担当教諭らが4月末、同市内で顔をそろえた。

 来春に迫った兵庫県内公立高校の学区再編で、現在の明石学区(明石市)は、加印学区(加古川、高砂市と稲美、播磨町)、北播学区(西脇、三木、小野、加西、加東市と多可町)と統合され、第3学区となる。担当者らは、再編に向けた進路指導で悩んでいた。

 各中学校では、過去の受験生の合否に関するデータを蓄積している。調査書の評定や実力テスト、定期考査の成績…。どの程度の成績なら合格圏内か。独自の合格ラインのデータが進路指導の現場で生かされている。

 ところが、再編で現在の中学3年生は受験実績のない高校も進学対象になり、合格ラインが読みにくくなる。「加印学区の高校には明石から多数の受験が見込まれる。地元の中学と合否データを共有できないか」-。これまでの担当者会議で要望が相次いでいた。

 この日、取りまとめ役の校長はこう決意を述べた。「私に一任してほしい。データの共有に向けて努力する」

 出席者の一人が打ち明ける。「自信を持って生徒を指導するには、データの裏付けが必要だ」

  ■    ■

 志望校の選択で、重要な資料となる合格ラインのデータ。共有を模索する動きがある一方、教員の個人的な情報交換にとどめるケースが目立つ。再編で市内全域が同じ学区になる神戸市。市立中学校長は「データがすべて明るみに出ると、中学校間の学力差がはっきり見え、序列化につながる」と警戒する。

 阪神間のある市立中学では、個別の情報交換にも神経をとがらせている。

 この中学がある市内には難関校をはじめ、レベルや特色の異なる高校がそろう。生徒の多くは、従来と変わらず市内の学校を志願する見通しだ。一方で近隣の地域からも交通の便がよく、再編で同市への受験生流入が予想されるという。

 「他地域の進路指導の手助けになるようなことはしにくい。こちらの生徒が食われることになる」と顔をしかめる校長。隣接地域の中学から情報交換の打診があったが、応じてはいない。

 拡大する学区の水面下で、それぞれの思惑が交錯する。

(紺野大樹、武藤邦生)

 【複数志願選抜】一般入試で、普通科と総合学科から2校志願できる制度。学区再編後は全学区で導入される。第1志望が不合格となっても、第2志望に合格できるチャンスがある。合否判定は調査書と学力検査の計500点満点で行われるが、第1志望には学区により20~30点を加点。第2志望は願書提出後、一度だけ変更できる。一方、従来は「その他校希望」をしていれば、志望校を不合格となっても定員を満たしていない高校に入学可能な制度があったが、学区再編後は廃止される。

ニュースの一覧

天気(10月18日)

  • 22℃
  • 19℃
  • 60%

  • 21℃
  • 14℃
  • 70%

  • 21℃
  • 17℃
  • 60%

  • 21℃
  • 17℃
  • 70%

お知らせ