三木

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チョウが好む植物が植えられた「チョウの森」=三木山森林公園
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チョウが好む植物が植えられた「チョウの森」=三木山森林公園
さまざまな水生昆虫やトンボがすむ池=三木山森林公園
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さまざまな水生昆虫やトンボがすむ池=三木山森林公園

 ピクニック広場を中心に「チョウの森」を造り、園内全体を「トンボ公園」と呼べる環境に-。兵庫県立三木山森林公園(三木市福井)に多様な生物を取り戻す挑戦は、新たな段階に入った。

 豊富な種類のチョウがたくさん舞うにはどうしたらよいか、関係者は頭をひねった。当初、ボランティアから「飼育したチョウを放してはどうか」との提案があった。当時の川瀬真次所長(71)=西脇市=らはすぐさま異を唱えた。「チョウの餌になる草がない。生息数の増加は一過性のものになる」。まず生息環境を整え、生物を呼び込む。これまで整備してきた草原や池、水路と同じ方針に、ボランティアや職員は納得し、心を一つにした。

 雑木林に囲まれ、芝生が広がるピクニック広場に新たに花壇を造り、秋の七草フジバカマなど三木市内の山に生える在来種を植えた。さらに、成虫が卵を産み、幼虫が葉を食べられるように、かんきつ類の小さな木を多数育てた。チョウの生息数は順調に伸び、取り組みを始めて4年目の2017年には約1300匹と当初の倍以上に増えた。

 並行して、トンボが生息する環境を模索した。平地と山、それぞれに合う条件を考えた。植物がなかった下池には、スイレンなどの水生植物を浮かべた。一方、森林に囲まれた広場や小道には池を造り、井戸水や雨水をためた。緩やかな流れをつくり、植物を増やした結果、トンボがすみやすくなった。程なく姿を現すようになり、ハネビロエゾトンボといった希少種も確認された。

 「チョウは35種類以上も定着し、トンボが飛べる環境も整った。子どもが採っても目くじらを立てなくていいぐらいに増やしたい」と川瀬さん。園内には多様な生物がすみ着き、10年前とは様変わりした。だが、里山の再生はまだ道半ばだ。

 現在の課題は、園内の大部分を占める森林の高齢化だ。大木に覆われて日が当たらず、中低木が枯れ、種類も数も減ってきている。伐採や植栽を進めないといけないという。

 川瀬さんは力を込める。「山は県民全体の財産。一般の人たちを巻き込んで森を守っていく」。健全な里山林を目指し、これからも奮闘は続く。

(大橋凜太郎)=おわり=

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