三木

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写真洗浄活動への思いを語った福井圭一さん(右)と河井雪歩さん=岡山県倉敷市真備町
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写真洗浄活動への思いを語った福井圭一さん(右)と河井雪歩さん=岡山県倉敷市真備町
泥に漬かるなどした写真を洗浄する子どもたち=岡山県倉敷市真備町
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泥に漬かるなどした写真を洗浄する子どもたち=岡山県倉敷市真備町
発熱材で温めたカレーライスを味わう子どもたち=岡山県倉敷市真備町
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発熱材で温めたカレーライスを味わう子どもたち=岡山県倉敷市真備町

 昨年7月に大きな被害を及ぼした西日本豪雨から1年余り。兵庫県三木市の小中高生を中心とする「みきジュニア防災クラブ」のメンバーら18人が19日、被災地の岡山県倉敷市真備町を訪れ、写真洗浄のボランティアに挑戦した。被災1カ月後の昨夏、全壊した民家で復旧作業に携わった記者も同行。今も続くその活動には、被災者の大切な思い出をよみがえらせ、心の復興を願う思いが込められていた。(井川朋宏)

 午前7時半、三木市志染町青山3の青山公民館に集合し、市社会福祉協議会のバスに乗った。7月、同クラブを立ち上げた代表の又吉健二さん(63)=三木市=は子どもらに「現地で楽しく作業し、参加者同士でおしゃべりをして仲良くなってほしい」と呼び掛けた。2時間余りで、真備町に到着した。

 被災直後、道路脇に積み上げられていたがれきの山は今回、すっかり片付けられていた。だが、柱と屋根だけの家や、新築家屋が散見されるなど被害の爪痕が見て取れる。

 真備保健福祉会館に着くと、ボランティアグループ「真備町写真洗浄@あらいぐま岡山」顧問の福井圭一さん(48)らが、穏やかな表情で出迎えた。東京出身の福井さんは東日本大震災を機に被災地の写真洗浄に携わっている。西日本豪雨を受け、父親がゆかりのある倉敷市で昨秋から活動を始めた。地元住民ら約20人を中心に、これまで約350件10万枚以上の依頼を受け、うち150件程度の写真を洗って返却した。作業はあと1年ほど掛かる見込みという。

 活動を追ったNHKのドキュメンタリー映像も視聴し、きれいになって返却された肉親の写真に涙する依頼主の姿が映し出された。福井さんは改めて、被災者が仮設住宅や親戚宅に移住し、家屋の解体が進む現状を説明。「少しずつ動き出しているが、まだ復興したとは言いがたい」という言葉が印象的だった。

 通信制高校1年の河井雪歩さん(15)=倉敷市=も活動に参加。中学時代は人間関係に悩んだというが、今は運営を支え、頼りになる存在だ。4月、三木市から倉敷市災害廃棄物対策室に派遣された五十川諒さん(27)も駆けつけ「学んだことを何か一つでも持ち帰って」と激励した。

     ◇      

 昼食には、非常食の販売会社「高防」(三木市加佐)から提供されたカレーライスを味わった。袋の底に同封の発熱材を敷き、容器に入ったカレーとご飯を入れ、発熱溶液を注いで30分弱待つとできあがり。十分な味と分量で、食事が偏りがちな避難所では、重宝されそうだ。

 昼食後、写真洗浄作業の説明を受けた。アルバムを乾燥し、写真を1枚ずつ取りだし、水で浸すなどして洗ってから干す。今回は残った汚れをエタノールで拭く仕上げの作業を皆で担った。

 手袋をはめ、写真の裏に付着した泥をウエットティッシュで取り除く。表に残る汚れも慎重に拭いていった。赤ちゃんの生き生きとした表情や、姉妹の子どもの笑顔が鮮明に浮かびあがる。日付は10年前。撮影したとみられる親の気持ちや、子どもは元気に成長したかといった、写真で見た家族の今に思いを巡らせた。その間、参加の小中高生は手を止めることなく作業に没頭。きれいになった写真がどんどん並べられた。

 毎月県外からもボランティアが訪れ、兵庫県からは特に多いという。福井さんは「活動を広く知ってもらい、(被災後は)捨てずにぬれた写真をいち早く乾かしてもらいたい」と話した。1時間強で1人数十枚を完成させ、福井さんに謝意を伝えて帰路に就いた。

 関わったのは、工程のわずかな部分だけだった。それでも活動の裾野が広がる意味で参加して良かったと思う。被災後の復旧支援は多方面で長期にわたって求められ、誰でも役に立てることがあると実感した活動だった。

【参加者の声】

 岡山県倉敷市真備町で19日、写真洗浄のボランティアを体験した「みきジュニア防災クラブ」の小中高生。その多くが初めて被災地を訪れた。活動を通じて感じたことや意義を聞いた。

 北条高校3年女子生徒(17)=兵庫県加西市=は「多くの人が必要とするこうしたボランティアがあるとは知らなかった」と驚く。「災害はどこかで起きるのでもっと活動が広まれば。自分もまた参加したい」と語った。泉中学校3年の弟(14)は「しんどさもあったけど心を込めて作業し、楽しそうな姿の写真をきれいにできた」と充実した様子だった。

 三木東中1年の男子生徒(12)=三木市=は「被災者に喜んでもらえる大事な活動で復興につながる」と実感。広野小2年の弟(7)は「なかなか消えない汚れもあったけど、(持ち主の)気持ちを考えて頑張った」と胸を張った。

 一方、「被災者が悲しんでいるだけではなく、前向きに動いていることを感じた」というのは緑が丘中3年の男子生徒(14)=三木市。明石高専1年の男子学生(15)=同市=は「被災から時間が過ぎてもできることがある。今後(被災地の)役に立つことを学んでいきたい」と思いを新たにしていた。

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