三木

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出演者や市民を集めた映画のPRイベントでは、主題歌を担当するロックバンド「シスター・サラ」が演奏して盛り上げた=5月26日、三木市立市民活動センター
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出演者や市民を集めた映画のPRイベントでは、主題歌を担当するロックバンド「シスター・サラ」が演奏して盛り上げた=5月26日、三木市立市民活動センター
粟生線存続を訴える映画の一場面にも出演した広報担当の長尾憲吾(右端)や高校生ら=7月7日、神戸電鉄恵比須駅(提供写真)
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粟生線存続を訴える映画の一場面にも出演した広報担当の長尾憲吾(右端)や高校生ら=7月7日、神戸電鉄恵比須駅(提供写真)

 大勢の出演者やスタッフを抱え、半年以上にわたって撮影を続ける映画づくりには、まとまった資金が必要だった。長く自主製作に関わる監督の小西イサオ(51)は出演者を含め、身を削って負担してきた。だが、今回の神戸電鉄粟生線を舞台にした映画では「出演者にお礼をしたい」という気持ちがあった。

 昨年3月、映画の総合プロデューサー山本篤(50)から最初に話を持ち掛けられ、快諾した小西はその場で思いを伝えた。大掛かりなロケに当たり、出演料はわずかでも、交通費や傷害保険代、衣装代などは確保しておきたかった。

 問題は資金集めの方法だった。山本は、代表を務める「粟生線の未来を考える市民の会」が昨年6月に開いた講演会を参考にした。経営危機に陥った千葉県の銚子電鉄を救う取り組みについて、当時大学生の和泉大介が講演。インターネットで資金を募る「クラウドファンディング」を紹介した。現金を含め約500万円が集まったといい、和泉は「共感者を増やし、愛と熱量を持って取り組むことが鍵」と訴えた。

 話を聞いた山本は手応えを感じた。三木駅の火災後、再整備への支援金が多く寄せられていたからだ。当初掲げた、多くの人が関わる映画づくりにもつながるため、この手法を選んだ。

 登録したサイトでは4カ月間で100万円を集める条件を設定した。目標額に届かなければ、手数料が倍増する。工夫を凝らしたのは、協力者への「リターン」だった。金額が高いほど返礼の種類を増やす形が多い中、山本らは額に見合った1種類を指定。例えば1万円の3枠は映画の出演権で、高校教諭役が主人公に進路希望を早く出すように話す場面などを設けた。ユニークな返礼は市民らの心を動かし、すぐに定員に達した。

 募金を始めた後も、気を緩めなかった。小西は専用サイトに毎日のように映画製作の動向を投稿。粟生線のブログを担当する同会の長尾憲吾(45)=三木市=を広報担当に迎え、精力的に宣伝した。主役の高井佑美(24)らはラジオやケーブルテレビに計4度出演。5月には、ナメラ商店街(三木市本町2)のイベントで同会が出店し、出演者が協力を呼び掛けた。

 「100万円という大きな目標額を達成しました」

 5月下旬、最後の追い込みと位置付けていた映画のPRイベントで、小西は、集まった市民や鉄道ファンら約60人を前に発表した。期限まで2週間を残し、目標額を突破。最終的に、256人から127万3001円を集めた。

 関係者が胸をなで下ろしたのもつかの間。4月に始まった撮影は、過酷な夏場にさしかかっていた。=敬称略=(井川朋宏)

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