三木

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撮影の合間に笑顔を見せる(右から)監督の小西イサオ、主演の高井佑美、江川裕樹=8月4日、三木市本町2
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撮影の合間に笑顔を見せる(右から)監督の小西イサオ、主演の高井佑美、江川裕樹=8月4日、三木市本町2
振り替え輸送のバスに乗るシーンでは、大勢の市民らがエキストラとして協力した=7月20日、神戸電鉄志染駅前(提供写真)
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振り替え輸送のバスに乗るシーンでは、大勢の市民らがエキストラとして協力した=7月20日、神戸電鉄志染駅前(提供写真)

 旧市街の路地にセミの鳴き声が絶え間なく響く。8月4日夕刻、主に兵庫県三木市内で重ねてきた映画のロケは、完成までちょうど半分の15回目を迎えた。

 汗が噴き出す暑さの中、駄菓子屋の前で、幼なじみの男子生徒と立ち尽くすヒロイン。店が閉まっているのを見て、「もうちょっと早い時間に来れば良かったね」と言った。

 ヒロインは神社の宮司の一人娘。幼い頃から地元の鉄道が好きで、夢は運転士。だが、神社の後を継ぐ宿命があり、父親に反発する。ある日、三木駅で起きた火災で、隠れた能力を発揮する-という筋書きだ。

 監督の小西イサオ(51)は、カメラの前で鋭い視線を注ぐ。立ち位置、表情、声の抑揚といった細部にこだわり、短いカットを繰り返し撮る。出演者らへの口ぶりは穏やかだが、作品に対する妥協はなかった。

 IT関連会社に勤める小西は休日を返上して現場へ出る。出演者の日程調整にも苦労し「1人がだめになると総勢50人以上の予定を確認し直さないといけない」。許可申請や当日の運営サポートは、20人余りのボランティアを頼った。

 夏場の難敵は暑さだ。日中は気温30度を優に超えるため、午前と夕方に分けて数時間を撮影した。熱中症も心配で、合間にはスタッフが冷えた飲料水を皆に配った。

 主演の高井佑美(24)は劇団に入って1年余りで、舞台経験は1度だけ。夏やせする体質で、習慣の筋力トレーニングやダンスは控え、ビタミンなど栄養補給をしながら参加した。

 役作りにも苦心した。6歳下の役で、ファッション雑誌「セブンティーン」を読み、制服の着こなしやメークなど高校時代の感覚も思い出しながら演じた。せりふは丸暗記ではなく「前後の流れで、その時の心情が自然に出るように」と心掛ける。

 「自分に務まるか不安だった」と言うのは、幼なじみ役の三木高校2年江川裕樹(16)。演技初挑戦で、事前に2日間に渡って、マンツーマンの演技指導を受けて臨んだ。今は「自分の気持ちを伝えるために必死に演じる」と意気込む。

 ロケには多くの市民らがエキストラとして加わった。三木駅の火災で粟生線が運休となりバスで振り替え輸送される場面。7月20日に神鉄志染駅と恵比須駅で神鉄バスの車両を借り、約30人が乗客役を務めた。協力的な姿勢や喜ぶ様子を見た高井は「頑張ってください、という言葉がいつも以上に心に響いた」と語る。

 撮影は9月から後半戦に入る。「鉄道や三木のことを広く知ってもらうため、最後まで丁寧に演じてみんなの心に寄り添える作品にする」と高井。来春の公開へそれぞれの戦いは続く。=敬称略=(井川朋宏)=おわり=

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