三木

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うそ発見の実験を試す学生たち=関西国際大(提供)
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うそ発見の実験を試す学生たち=関西国際大(提供)
関西国際大学人間科学部人間心理学科の中山誠教授(同大学提供)
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関西国際大学人間科学部人間心理学科の中山誠教授(同大学提供)

■関西国際大・人間心理学科 中山誠教授

 大学にいると、犯罪者から直接、話を聞く機会がない。なので、犯罪心理学の研究は難しいのではないか-と言われることがある。しかし、犯罪捜査で使われているうそ発見(ポリグラフ検査)の実験なら、大学の研究室にいても実施できる。

 例えば、1人暮らしのお年寄りが自宅で殺されたとする。テレビのニュースでは、死因が刃物で刺されたことだと伝えている。こういう状況で、容疑者に対して行われるポリグラフ検査はどのようなものか。一般的には、「あなたが○○さんを殺しましたか」といった質問をするように考えられがちである。しかし、実務場面ではそんな直接的な聞き方はしない。

 では、何を質問するのか。死因については報道されているが、具体的な凶器までは公表されていないなら、刃物の種類について質問するのが有効である。すなわち犯行に使われた凶器は果物ナイフか、包丁か、カッターナイフか、折りたたみナイフか、短刀か-と具体的に聞いていく。この事件で実際に使われた刃物が、この中に一つ含まれている。本物の凶器に対して、心拍数や呼吸に強い変化が認められるなら、その容疑者は事件に関与した可能性が濃厚と判定される。

 ここで重要なことは、どれが本物の凶器か、真犯人であればすぐに分かるけれども、無罪の人には簡単に区別がつかないように質問が構成されていることである。このように「無罪群」の人を冤罪から守る質問法は、「疑わしきは罰せず」というわが国の風土によく合った手法と言えよう。

 現在、本学では東京オリンピックを想定して、テロ事件のポリグラフ検査について実験的研究を続けている。今までは既に発生した事件ばかりを扱ってきたが、テロ事件では計画段階での摘発が必要だ。例えば爆破テロが実行されると、多くの犠牲者を出してしまう。従って、情報を早めにつかんでテロ事件を未然に防がねばならない。

 そこで、次のテロ事件がいつ、どこで起きるかを明らかにするための質問法を検討している。今回は、実験参加者の学生にあらかじめ攻撃目標を選択させておき、その上で選んだ場所をポリグラフ検査で的中させられるかどうかの実験をしている。今のところ、9割以上正確に検出されているので、この質問法は現場でも使えそうである。

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 関西国際大学(兵庫県三木市志染町青山1)の教員が、それぞれの研究分野をテーマにつづります。

【なかやま・まこと】1957年、京都市生まれ。西宮市在住。関西学院大大学院修了。元静岡県警科学捜査研究所心理科長。2009年から関西国際大人間科学部人間心理学科教授。犯罪心理学などが専門。

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