三木

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源氏物語の写本を全て書き写した高橋富子さん=青山公民館
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源氏物語の写本を全て書き写した高橋富子さん=青山公民館
毛筆でしたためた作品=青山公民館
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毛筆でしたためた作品=青山公民館

 2008年から源氏物語の筆写をライフワークとしている高橋富子さん(77)=兵庫県三木市=が、全54巻を写し終えた。巻によっては「半懐紙」と呼ばれる和紙100枚分に及ぶこともあり、途方に暮れたことも。それでも筆を置くことなく貫徹し、「たくさん書くのが上達への近道。今の私の字があるのは、源氏物語のおかげ」と顔をほころばせる。(大橋凜太郎)

 約30年前から書にしたしみ、自宅近くの公民館で書道教室も開く高橋さん。源氏物語は学生時代から好きな作品で、08年の「千年紀」の盛り上がりをきっかけに筆写するようになった。当初は毎年の三木市展に出品するために取り組んでいたが、作品ゆかりの寺の住職に背中を押されたこともあり、全巻制覇が目標になった。

 手本としたのは、市内の図書館が所蔵する写本で、司書からコピーをもらって挑戦。くずし字を読み解くために古典全集を参考にルビを振り、現代語訳にも目を通しながら書き進めた。

 初めは1枚を仕上げるのに1時間以上かかったが、慣れると30分ほどに。書をしたためた半懐紙は別の用紙で裏打ちし、自ら装丁した。光源氏が亡くなった後を描く「宇治十帖」に取りかかる前には筆を置くか悩んだが、「ここまできたら」と奮起した。

 「物語を楽しみながら書けた」と話す通り、光源氏の思いやりに心打たれ、不遇な終末期に心を痛めた。「一つ一つの物語が丁寧に描かれ、つなぎ合わさっていた。神がかっていた」と作品の魅力を語る。

 金字塔を打ち立ててもまだ意欲は衰えず、「書いている途中は死ぬまでに間に合うかなと思っていたけど、終わってみればまだまだやれそう。今度は物語の中に出てくる和歌を抜粋してまとめてみたい」と声を弾ませていた。

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