三木

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鮮やかな彩りを見せる山田錦。豊かな環境と人々の努力の結晶として実る=2016年秋、三木市吉川町
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鮮やかな彩りを見せる山田錦。豊かな環境と人々の努力の結晶として実る=2016年秋、三木市吉川町
機械に山田錦の種もみを入れ、種まきをする農家=三木市吉川町上松
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機械に山田錦の種もみを入れ、種まきをする農家=三木市吉川町上松

 金物、酒米、ゴルフ-。兵庫県三木市はさまざまな顔を持つが、一朝一夕につくられたものではない。わが町の特産はさまざまな困難を乗り越え、技術や伝統と誇りを紡いできた。連載「三木ってなんどいや」では市が誇る酒米、金物、ゴルフについて特長や関係者の努力に光を当て今後を展望する。あなたにとって三木ってどんなまちですか?

     ◇

 「丈夫でいい苗に育ってくれよ」-。三木市吉川町、上松地区営農組合長の西田忠史(72)は祈るような気持ちで種をまいた。

 4月末、11軒の農家が行った種まき。米作りのスタートだ。一度水を吸わせた種もみを機械に入れると、土や水とともに苗箱に積もっていく。この日、仕上げた苗箱は1600枚。順調に育てば6月初旬には田植えができる。秋口まではやきもきした日々が続く。

 日本一の酒米山田錦。品質の高い産地は「特A地区」と定められ、中でも同町や口吉川町は最高位の「特A-a」を誇る。

 吉川町山田錦村米部会長の五百尾俊宏(76)は「ここには天の利、地の利、人の利がある」と胸を張る。六甲山系の山間部にあるこの土地は穏やかに晴れて日照時間が多く、昼夜の寒暖差が大きい。粘土質の土壌がある-と酒米にとって恵まれた環境が整う。

 それだけではない。「昨年は気温が高く好条件ではなかった」とJAみのり吉川営農経済センター長の有賀勝(57)。それでも冬場に田を耕し土を乾かすなど土壌管理を積み重ねた農家のコメは「粒の大きさや厚みが抜群」だったという。

 西田にも苦い経験がある。稲は気温が高すぎると高温障害を起こし、米が白く濁ったり、亀裂が入ったりする。猛暑続きの夏、先輩から夜間に水を入れ、朝に抜くと良いと助言を受けた。だが、「池の水には限りがある」と見送るとその年の米は濁っていた。西田は「米作りは試行錯誤。さすがに長年培った経験は大きい」と舌を巻いた。

 それ以外にも、稲穂ができる頃合いを見計らって肥料をまく「穂肥」など自然相手の作業には、適切な時期を見定める眼力と経験が要る。五百尾は「気象と土壌に作り手の情熱。これがそろったからこそ特産が生まれた」と力を込めた。

=敬称略=

(篠原拓真)

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