兵庫県三木市芝町のパン店「ピストリーナマツヤマ」が、酒米山田錦を使用したクリームパンを発売した。もちっとした弾力のある生地が特長で、三木市産の卵や神戸市の牛乳で作ったカスタードクリームを包んだ。同店を運営する松山製パンは、山田錦の米粉を使った商品を多く考案してきたが、担当者は「生地がもちっとする山田錦の個性が最も分かりやすいパンになった」と胸を張る。(篠原拓真)
新商品「山田錦のクリームパン」は昨年末から開発を進めてきた。山田錦の米粉を使う際の利点「生地の弾力」を最大限に引き出し、生地の膨らみや食感が生きる適度な分量を10グラム単位で探った。試行錯誤の結果、80グラムという生地の量を導き出したという。
「生地だけでなく、具材とのバランスを考えるのも難しかった」と松山敏郎社長(52)。カスタードクリームの甘さが引き立つようにパンは甘さを控え、パンの弾力を生かすためにクリームを固めにした。「時間がたってもクリームの水分でパンがべちゃべちゃにならず、翌日もおいしく食べられる」と強調する。
既に店頭に並び、評判も上々というクリームパン。松山社長は「どこに出しても負けない商品になった。三木の食材をおいしく食べて、笑顔になってもらいたい」とほほ笑んだ。
