三木

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エビが踊る「特上海鮮丼」を提供する前田太門さん=三木市末広1
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エビが踊る「特上海鮮丼」を提供する前田太門さん=三木市末広1
京都の町屋をイメージした店舗=三木市末広1
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京都の町屋をイメージした店舗=三木市末広1

 海産物販売業の老舗・横山海産が運営する飲食店「昇~Show~」=兵庫県三木市末広1=が15日で開店から1周年を迎えた。朝に仕入れた鮮魚をそのまま使ったメニューが味わえるのが特徴。新型コロナウイルス感染症の影響が経営に直撃し厳しい毎日だが、店長の前田太門(たもん)さん(34)=同市=は「三木にないものを作った祖父を見習い、どこにもない場所にしたい」と意欲を燃やす。(大橋凜太郎)

 同社は1931年、前田さんの曽祖父・横山義助さんが創業。48年に祖父・横山昇(のぼる)さんが継いで事業を拡大し、69年には「三木総合地方卸売市場」を開設。個人が経営する全国初の公認市場として、企業情報誌にも掲載されたという。昇さんは90年に62歳の若さで亡くなったが、気配りを忘れない人柄は、死後も関係者の間で語り草となった。

 一度は会社勤めをした前田さんだが、知人から昇さんの武勇伝を聞くにつれ、尊敬の念が大きくなった。周囲の勧めもあり、「祖父の遺志を継ぎたい」と2016年から開業に向けて準備。17年からは神戸・三宮の会社を退勤した後に大阪のレストランで働き、2年間の修業で料理人としての力をつけた。

 19年3月には会社を辞め、オープンに備えた。市内の宮大工が手掛けた店は京都の町屋を基調に木目を生かした内装。客が座敷で会話を弾ませ、ジャズを聴きながら海の幸に舌鼓を打つ様子は思い描いた通りだった。年末年始は1日で約70人が訪れたこともある。

 順調な滑り出しに思えたが、開店から1年もたたないうちにコロナ禍に見舞われた。3月には、歓送迎会の予約が全てキャンセルに。1年前は想像もつかなかった災厄に直面しながらも、昼営業と持ち帰りメニューの販売で苦境に耐えた。

 6月4日には夜の営業を再開。13~15日には海鮮丼を安価で提供し、1周年を迎えられたことへの感謝を表した。

 「人生の岐路に立ったとき、祖父の存在を背中に感じることがある」と前田さん。名前を店名に掲げたのも、祖父から力をもらいたいという思いからだ。昇さんの名を広めたい一心で、これからも「老若男女に親しまれる味」を追い求める。

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